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引き裂かれたroyaume
第7章 *最終章*失われた希望と、──
「やぁああああっ……イクうぅううううっ……」
身体に閃光が走っていって、一瞬、身体がびくんと弾けた。
リゼットに、魂と肉体とを切り離されたような浮遊感が残っていた。暫し胸で息をしながら、エメと片手を探り合う。
指と指とを絡めながら、キスを重ねる。
膣の中が満たされた。
リゼットは、エメの微塵の苦痛も強いてこない指に溺れてゆく。ゆっくり内壁をこすられて、それがだんだん激しくなる。指が二本、三本と増えていく。
膣内(なか)をまさぐる指の動きは、エメにしては乱暴だ。リゼットに染み込んだ罪深い記憶を、愛液と一緒にかき出されてゆく。オリアーヌの冷たさを、イルヴァのかなしさを、洗い流されてゆく。
リゼットは、半ば無意識に腰を浮かせて腹を振って、もっともっととエメにねだる。とろけんばかりのキスを重ねて、中も外も侵されて、快楽にも優る愛おしさが爆発していた。
「あんっあんっ、気持ちぃ……エメぇ、大好き……」
リゼットはエメにしがみつく。
二人、やはり優しい遊戯に夢中になりながら、それでも何かに追い立てられていた。
身体を重ねるだけでは足りない。もう永遠に離れないで済むように、二人、互いの血肉を求め合った。
リゼットはエメに昼間開かれた皮膚の亀裂を深くして、そこから流れる赤い泉を啜ってもらった。そして、エメに促されるまま、普通に戦っては傷一つ付けられなかったその腕に、真新しい傷を刻んだ。リゼットら、いくつもいくつも、エメの白い腕を傷付けていく。
赤くなった剣を投げ出して、また、とめどなくこぼれてくる互いの血液を啜り合う。
「はぁっ、……」
リテキュスティージは夜の帳に覆われていた。
リゼットは、エメの肩に頬を預けて、洞穴から覗ける海の水面を眺めていた。
さざなみが月の光を吸い込んで、無限の可能性を秘めた輝きを弾いている。