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引き裂かれたroyaume
第2章 踏みにじられた想い
リゼットの身体がエメの正面に向かされる。続きの言葉が声になるより早く、唇がキスで塞がれた。
二人、傍らのソファにくずおれる。
角度を変えながら繰り返し重ねる少女じみた口づけが、次第に濃厚になっていく。
リゼットの胸にエメの手が被さってきて、敏感な膨らみをまさぐられながら、互いの唾液を啄み合う。
『あっ、はぁ……』
『リゼットの口の中、あったかい。ちょっと甘いかな』
『そう?味なんて……ん……はぁっ……』
首筋にキスが移ってきた。隅々まで味わい尽くされんばかりにこまやかなキスが、鎖骨に落ちてきて、寝間着のボタンが外れていった。下着をつけたまま肩や胸の谷間を撫でられて、ウエスト、脇、どこもかしこもエメの指先の質感を知る。
『柔らかい……触れるのがもったいないほど、君は綺麗だ』
『ふふっ、お世辞がお上手。……あっ、あっあんっ』
胸から下着が外れていった。乳首にしっとりした唇が吸いついてきた。口内で丹念にしゃぶられて、もう一方の胸にも同じ愛撫を与えられながら、下半身に 手が伸びてくる。
『はぁっ、はぁっ……あっ、はぁあぁっ……』
エメは、どこまでも優しかった。リゼットは、恋人だとか部下だとかで、エメに所有物のように扱われることはなかった。
それでいてエメのくれる優しい愛撫に、言葉に、身も心も溺れきった。頑丈な官能の鎖は、確かに、永遠を約束してくれた。
リゼットの、自分でも触れたことのない場所が、ぐしょぐしょに濡れきっていた。
エメのキスが恥ずかしさに追い討ちをかけてきた。その舌先にくすぐられた蜜壺は、ひとしお、愛慾の泉を垂れ流した。
『痛かったら、手、握って?』
『ううん、恥ずかしい、だけ……んんっ、……あっあああっ……』
リゼットはエメと片手を組み繋ぎながら、触れ合うだけのキスを何度も交わして、彼女の指先を濡れた蕾に受け入れた。
初めて知る快楽に、腰が顫えて、脚がひくつく。手にも自然に力が入って、その度に顔色を窺ってくれたエメに大丈夫だと囁いて、彼女の下で鳴いて、泣いた。
悲しくて泣けたことはなかったのに、初めて、幸せすぎて泣いた。