この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
引き裂かれたroyaume
第2章 踏みにじられた想い

* * * * * * *

 リゼットはイルヴァに連れられて、美術館に次いで雑貨や茶葉の店屋を見て回った。それから二人、 カフェに入った。

 カフェは、広いフロアを抜けていくと、少人数の客のための個室があった。
 室内は、可愛らしい小花柄の壁紙で全面を覆い尽くしてあって、足を伸ばしてもくつろげるくらいの広さがあった。

 リゼットは、イルヴァと二人、そこでオーダーしたケーキセットが運ばれてくると、手を合わせた。

「今朝、夢を見ていたみたいなんです」

「あ……それで」

「どうかしました?」

「何でもないです」

 リゼットは、イルヴァの一瞬見せた気まずそうな顔を見逃さなかった。

「リゼット様」

「何ですか?」

 リゼットは、タルトから掬った苺を慌てて飲み込んで、イルヴァに向かって背筋を伸ばす。

「敬語、そろそろやめてもらえませんか?」

「えっ……」

「呼び方も。調子狂うっていうか」

「──……」

「リゼット様は、まるで私のお姫様。お姫様にそういう態度は似合いません」

「…………」

 こんな言葉を寄越されたのは、初めてだ。

 リゼットは、それなのに、からかわれている気が全くしない。いやな気もしない。
/136ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ