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引き裂かれたroyaume
第2章 踏みにじられた想い
「いや、……」
「逃げちゃ反則、お姫様」
「あっ、何……」
リゼットの太ももと肘から手首にかけての腕が、細い布でぐるぐる巻きにされていく。どこに準備してあったのかは知らないが、布紐は、左右の手足がそれぞれ固定されるだけの分があった。
「……ほどいて……」
「目立つところに傷は残さない。安心して」
「何で……こんなことするのっ?!」
リゼットの、鏡だけは見ないよう伏せていた顔が顎ごと捕まれて、真っ正面に向かされた。
後方にいたイルヴァの唇が、耳許にそっと近付いてきた。
「リゼットが、マゾだから」
「…──!!」
「確信したよ。オリアーヌ様の寝床に染みた女の匂い。幸せそうな貴女の寝顔。……身体中傷だらけだったのに、愛液垂れ流したリゼットの股、私がちょっと抱え上げただけで、ぴくぴく顫えた。陛下の指が良かったんだね」
「違う……誤解……っ」
「ん、まだ、認めなくて良い」
「ああっ……」
「そのために貴女をここに連れてきた。この店、何で個室があるんだと思う?」
リゼットは、息が上がるのを振り払わんばかりに首を横に振る。
心臓に近い方の乳首が、つねられたり、指の腹を押しつけられたりを繰り返していた。
「ここは、貴族が人目を忍ばなければならないような楽しみをするところなんだ。このカフェの別名は、不倫小屋。快楽サロンだなんて洒落た呼び方している変態達も、出入りしている」