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引き裂かれたroyaume
第2章 踏みにじられた想い

「──……」

「まず私が確かめる。貴女が使える商品になるか」

「無礼者っ」

「もっとも貴女は、リゼットとかいう女に見限られた。あの娘は、貴女の側にいるよりも、国の平和を守る価値を見出だしたのね。ベッドでの貴女は期待しない方が良いかしら?」

「愛は、身体で測るものじゃない。あたしはリゼットがリゼットだから愛して、その身体が彼女のものだったから、必要だった」

「その愛した女の守ったリテスキュティージ、貴女のスパイ疑惑が表沙汰になれば、どうなるかしら」
 
「…──っ」

 エメはジュリーが離れていっても、その場から動けなくなっていた。

 リゼットの叶えたものを壊せない。それでも、彼女を追ってきたことを、悔いていない。

「…………」

 エメはジュリーの腕を引く。それからそのシャープな顎に指先をかけて、唇の端の近くに口づける。

「唇に」

「──……」

 世界の片隅に、こんな、どんな手を使っても生き延びようとしている女がいる。

 エメも、どんな手を使ってでも生き延びて、あの天使を救い出したい。

「ん、んぅ……」

 ジュリーの口内を犯しながら、彼女をテーブルに座らせる。

 エメは、ジュリーの肩にかかっていたストールを外して、ワンピースのファスナーを下ろした。
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