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引き裂かれたroyaume
第3章 切り裂かれた純心

* * * * * * *

 リゼットは、オリアーヌの私室に着くなり、シャワー室に押し込められた。そしてメイド達の指図に従って、手早くシャワーで汗を流して髪を洗った。
 脱衣所に出ると、バスローブを羽織って、パウダールームへ移動した。メイド二人がかりで髪を乾かされながら、鏡に向かって今日二度目の化粧を始めた。

「本日夕方は、オリアーヌ様が親しい貴族の方々を召集なさって、ガーデンパーティーを開かれます。リゼットも同席することになってるわ」

「何のパーティーなの?」

「東西の戦の祝勝会。正式なものは先週開催されたでしょう。今夜のは、オリアーヌ様がご懇意のご婦人方だけをお集めになった宴」

「私が……そんな、……」

「さぁ、こっちへ。急いで準備をしなくては」

 リゼットは、はらわたが煮えくり返る思いに目眩を起こしそうになっていた。

 ふらつく足を鞭打って、パウダールームを後にした。
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