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引き裂かれたroyaume
第3章 切り裂かれた純心







 特別な身分の女性ばかりのガーデンパーティーは、和やかな雰囲気で進んでいった。

 休まることのない談笑の話題の中心は、例の東西を分けた紛争にまつわるあれこれだ。

「戦の間、別荘を疎開地として解放しておりましたの。ええ、有償。食事、洗濯込みで、一泊三十パイン。利益は施設に寄付をしました」

「ウチは暇を持て余しておりました。いつ襲撃されるかも分からない町を、皆さん出歩かれませんでしょう?オペラも舞踏会も、どこも休業なさっておいでで……。パートナーと賭博をしても、スリルがございませんでしたわ」

「その点、東部は暇でお困りになることもなかったんでしょうね。西部と違って、貴族まで労働……軍事に携わらねばいけないのですもの」

「ともかく、戦は終わった。長きに渡って大きな顔をしていた東部も、今後はおとなしくなって……この地はいっそう発展するわ。次はベネシー共和国へ進出ね。あすこを屈服させられたなら、あの宝石の島が、我がこの西部のものになる」

「──……」

 浮かれた笑い声がどっと上がった。

 立食パーティーのテーブルは、オードブルやメインディッシュの大半の皿が、空になりかけているようだった。
 リゼットを覆ったスイーツも、太ももや腹の辺りを、時たま手をつけられていた。

「リゼット」

 厳めしいソプラノに顔を上げると、オリアーヌの妖しい微笑みがあった。

「あぅっ……」

 乳房にフォークの先が食い込んできた。

 感じやすくて柔らかな肉を金属の先端でもてあそばれて、撫でられる。そうしてリゼットの乳首を覆っていたデコレーションケーキのひと塊が、掬われていく。

 オリアーヌの携えていた取り皿に、たった今までリゼットの一部を覆っていたケーキの破片が収まると、また、膨らみにフォークが迫ってきた。

 乳房のあちこちが、やはり尖ったところでつつき回されて、今度は生クリームやフルーツを除かれていった。

「あ……ああぁ……はぁ……っ」

 生クリームの塊が、オリアーヌの唇の中に含まれていく。
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