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引き裂かれたroyaume
第3章 切り裂かれた純心

 リゼットは、こんなにもたくさんのキスを知って、こんなにもたくさんの快楽を知った。

 それでも、たくさんの嘘を許してきた唇は、たった一つの愛おしいキスを覚えている。穢い侮辱を注ぎ込まれた耳は、あの優しい声を忘れない。

 身体は、胸は、あの懐かしい指先が、魂が、ずっとずっと染みついたまま、薄らがない。

「うっ……ぃ、……や……」

「…………」

 リゼットの口許に、クロエの指先が近づいてきた。

 薔薇と愛液の匂いをまとった指先が、淫靡な糸を引いていた。

「ん……」

 クロエの片手を包み込んで、細い指先にしゃぶりつく。

 リゼットは、クロエの指に付着したもの全てを飲み込むと、今度は仰向けにさせられた。

* * * * * * *

 早朝、イルヴァはメイドの知らせを受けて、オリアーヌの私室へ向かった。

 存在も忘れ去られていようほどの数多の調度品に彩られた、長い長い回廊は、最奥の扉を抜けると、十五の控えの間が続いている。最後の豪奢な個室は、最奥に、ひときわ貴い匂いを醸した扉があった。

「ぅっ……ぐす……」

 イルヴァは十五個目のノブに伸ばした手を、はたと止めた。

 扉の向こうから、女の啜り泣く声がこぼれていた。しゃがれたソプラノが、涙でいっそう濁っていた。
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