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引き裂かれたroyaume
第4章 霞んでいく過去(前)

「どう、して……」

「お前が私の持ち物という印。下をご覧なさい?唇よりずっと正直な、お前の女の出入り口が、ほら、じっくり眺めやすくなってよ」

「こんなことしなくても、私は、陛下のもので……あっ……、あっああ……っ」

 ぺちゃ、ぺちゃ、と、蜜壺から水音が奏でられる。

 覆うものをなくした恥丘に、リゼット自身から垂れ流れたものが塗りつけられていく。

 腰がひとりでにびくびく動いて、脚が顫える。

「お前に自由なんて欠片もないの。昼間は衣服を着ていられるのも、この私の許可があってこそ。この、中途半端なブロンドだって、血の一滴も、お前の自由に出来るものは何一つない」

「っ、はぁ……」

「お前の気持ちが聞きたいわ」

「私は……」

 本心は、今この瞬間でさえ、誰より大事なあの人に、懺悔したい気持ちでいっぱいだ。いっそあの綺麗な手にかけられて、この穢れた返り血を、罵って欲しい。

「お前のその手で、クリトリスを見せてご覧なさい」

「…──っ、……」

「ほら、そして請うの。お前が私に望んでいることを。……淫乱なお前なら出来るでしょう?」

「──……」

 リゼットは、オリアーヌの冷たい双眸をちらと見て、脚を広げる。

 抗える希望は全くない。嫌な顔を見せるだけの気力は持つだけ無駄だ。

 それは、とっくに分かっていた。
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