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引き裂かれたroyaume
第5章 霞んでいく過去(後)
リゼットは、膣内をサリアの指四本にかき乱されて、それからバイブレーターで陰核を責められながら、ディルドで何度も子宮を突かれた。異常な量の愛液が分泌された腹から、僅かな出血があった。多分、粘膜のどこかが切れたのだ。
イルヴァは、出窓からほんのり青い光が滲んできた頃、隣室から迎えに来てくれた。
「イルヴァ……ちょっと、休ませて……」
リゼットは、ベネシー共和国の城を出てすぐのところで、イルヴァの袖を引いた。
「だから、抱っこするよ?」
「いい、歩ける。少し休めば……歩ける……から……」
ずるっ、と、身体が崩れ落ちた。
リゼットの、刹那歪んだ視界が、イルヴァの胸元でいっぱいになる。
とても懐かしいような匂いに包まれて、優しい腕に抱き留められていた。
「うっ、はぁ……うぅ……」
「リゼット?」
「──……」
「ごめん。助けに行かなくて、ごめんね」
リゼットは、力のこもった腕の中で、首を横に振る。
傷付いたのは、イルヴァの所為ではない。そして、サリアの所為でもなかった。
リゼットは、自分で選んだ方法で、戦に終止符を打った。
リテスキュティージが攻め入られれば、また、たくさんの血が流れていた。罪のない国民にも負担がかかる。
「でも、私は、軍人として恥ずかしい……エメだったら、こんな部下、きっと殺す……エメが今の私を知れば、こんな私が隣にいたこと、とてもとても後悔する……」
「リゼットには私がいる。私は、リゼットを誇りに思う。貴女は強くて、本当に戦士で、気高い貴族だ」
「……違うわ……」
「…………」
「イルヴァにだって、指摘されたことがあるじゃない。女に組み敷かれて喘いでいる方が、ずっと似合ってる。……綺麗に着飾って、おとなしく笑っている私の方が、好きなんでしょ?」
「──……。リゼット」
すっと、リゼットは、身体を離されていった。
「このままじゃ陣営に戻れない。背負わせて」
「歩けるわ、……もう平気。行きましょう」
「リゼットに話したいことがある。前王の、ソフィルス・ヤーデルード様のこと」
「そんな話、私が聞いたって何にもならな──」
「お願い」
「…………」
「聞いて欲しいから、その間だけ、私の足に頼って欲しい」
イルヴァの表情は、何故か、リゼット以上に思いつめた色をしていた。