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引き裂かれたroyaume
第5章 霞んでいく過去(後)
どんなに軽いくちどけのスイーツより優しい。それでいてやはり強引な唇を受け入れて、リゼットはイルヴァの首に腕を回す。
「はぁっ、ふ……ん……」
じゃれ合う舌と舌とが互いに唾液を塗りつけながら、熱を増す。一つになったシルエットがくずおれていく。
イルヴァに敷かれたリゼットは、注がれてくる彼女の無味に目を細めて喉に流した。
「我慢……出来なくなったじゃん……」
「お願い……イルヴァ……欲しいの……」
リゼットの胸の谷間にキスが落ちる。両脚を膝で開かされて、蜜壺にイルヴァの指が至る。
ぺちょ、ぴちゃ……と、自分の下半身から上っているのだとは考えたくない水音が、朝の空気を湿らせる。
「はぁっ、あん……」
「びしょびしょにおねしょしてるね。悪い子だ」
「あっ?!……」
リゼットは、いきなり膣口に入ってきた指先に弾かれるようにして、のけ反る。
「前戯なんて必要ないでしょ?ほら、私の指、もう付け根まで飲み込んだ。もっと痛くなりたい?」
「ぅ……はぁっ、うぅ……」
リゼットは、イルヴァの軽蔑的な眼差しに、ぞくぞくする。
顫える腰をイルヴァにすり寄せて、頷く。
「あっああっ、あああっ……」
乳房に浮かんだ切り傷が、広がっていく。イルヴァの舌先に圧力をかけられて、痛みが絞り出されてゆく。
膣口に、新たな指が増えて侵入してくる。
「良いっ……気持ち良い……あんっ、ああっ……そこっ、ああんっ……」
なりふり構わないで腰を振って、傷口の開いていく快感に、泣きそうになる。
リゼットは、イルヴァにだけは、何をされても怖くない。快楽も、痛みも、安心しきって溺れてゆける。
エメとの優しい記憶に責められないで、自分自身の本能だけに、侵されていける。