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NEXT 【完結】
第11章 衝撃

まだ終電に間に合ったので、電車に乗って送ってもらう。
駅で、もう大丈夫だという稜に、マサトシは直も食い下がり、結局マンションの前まで送ってもらうことになった。
電車の中と、駅からマンションまでの徒歩13分ほどの短い時間だったが、2人で並んで歩いて話をする。
マサトシは、大手ディラーのメカニックスタッフで、普段つなぎを着て車の修理をしているらしい。
車が趣味で、休みの日、暇さえあれば洗車していると笑っていた。
「えー、ドライブじゃなくて、洗車なの?」
「ドライブは1人だと寂しいですから。それに、洗車でピカピカになるとそれだけで嬉しいんです」
表情が硬いマサトシだったが、車の事は本気で好きらしい。柔らかい笑顔がとても印象的だ。
「あ、ここのマンションなの」
「はい」
「ありがとう。気をつけて帰ってね」
「出たとこで、タクシー拾うんで」
「え、あ、そっか。さっきの終電...」
申し訳ない気持ちになる。
「いえ。...あの...明日、何か予定がありますか?」
「へっ」
「海までドライブ行きませんか?」
マンションの外は暗くて表情がわからないが、少し背けた顔からは照れて赤くなっているのがわかった。
途端に、稜の顔も赤くなり背ける。
「...えっと」
送ってくれたのは、稜がお酒にのまれて心配だからだと思っていた。
マサトシの表情を見ようと、稜は顔を見上げる。
丁度、マサトシも稜の顔を伺っているところで、2人は目が合う。
その時、玄関先で見つめ合う2人の横を、人影が素早く通り過ぎた。
恥ずかしくてまた2人は顔をそむける。
「予定があるなら、いいんです」
「ううん。...行く。海、行きたい」
なんとか声を振り絞って答える。
お見合いとかじゃない、こういったデートに誘われるのは久しぶりだ。
「よかった。...じゃあ、明日。迎えに来ます」
「うん。わかった」
「おやすみなさい」
そう言って、マサトシは暗闇に消えて行った。
いいんだろうか。確か5つも年下。ってことは5つも年上になるんだけど。
稜は、足早にエントランスを抜ける。
予想外のデートのお誘いに顔が赤くなっているのがわかる。
エレベーターの扉が開いている。
素早く身を滑り込ませた。
途端にドアが閉まる。
「嬉しそうですね」
冷ややかな声がした。
駅で、もう大丈夫だという稜に、マサトシは直も食い下がり、結局マンションの前まで送ってもらうことになった。
電車の中と、駅からマンションまでの徒歩13分ほどの短い時間だったが、2人で並んで歩いて話をする。
マサトシは、大手ディラーのメカニックスタッフで、普段つなぎを着て車の修理をしているらしい。
車が趣味で、休みの日、暇さえあれば洗車していると笑っていた。
「えー、ドライブじゃなくて、洗車なの?」
「ドライブは1人だと寂しいですから。それに、洗車でピカピカになるとそれだけで嬉しいんです」
表情が硬いマサトシだったが、車の事は本気で好きらしい。柔らかい笑顔がとても印象的だ。
「あ、ここのマンションなの」
「はい」
「ありがとう。気をつけて帰ってね」
「出たとこで、タクシー拾うんで」
「え、あ、そっか。さっきの終電...」
申し訳ない気持ちになる。
「いえ。...あの...明日、何か予定がありますか?」
「へっ」
「海までドライブ行きませんか?」
マンションの外は暗くて表情がわからないが、少し背けた顔からは照れて赤くなっているのがわかった。
途端に、稜の顔も赤くなり背ける。
「...えっと」
送ってくれたのは、稜がお酒にのまれて心配だからだと思っていた。
マサトシの表情を見ようと、稜は顔を見上げる。
丁度、マサトシも稜の顔を伺っているところで、2人は目が合う。
その時、玄関先で見つめ合う2人の横を、人影が素早く通り過ぎた。
恥ずかしくてまた2人は顔をそむける。
「予定があるなら、いいんです」
「ううん。...行く。海、行きたい」
なんとか声を振り絞って答える。
お見合いとかじゃない、こういったデートに誘われるのは久しぶりだ。
「よかった。...じゃあ、明日。迎えに来ます」
「うん。わかった」
「おやすみなさい」
そう言って、マサトシは暗闇に消えて行った。
いいんだろうか。確か5つも年下。ってことは5つも年上になるんだけど。
稜は、足早にエントランスを抜ける。
予想外のデートのお誘いに顔が赤くなっているのがわかる。
エレベーターの扉が開いている。
素早く身を滑り込ませた。
途端にドアが閉まる。
「嬉しそうですね」
冷ややかな声がした。

