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NEXT 【完結】
第11章 衝撃
その事にいち早く気づいたリョウが、また強く抱きしめる。
先程は胸に抱えるような形だったが、今は稜がリョウの後頭部をのぞき込んでいたので、しっかり抱き合うような形だ。

「きゃっ」

「しっ、人が見てる」

エレベーターから降りてきた人は、エレベーター横で抱き合う二人を気にしながらも、横を通ってゆく。

その人が部屋に入るまで、二人はじっとしていた。

あまりの連続した出来事に、稜の胸はドクドクと大きな音を立てていた。
いつものあの匂いもして、頭がクラクラする。
心臓音がリョウに聞かれていないか気になったが、リョウからも心臓の音がした気がした。

リョウの唇が、髪に触れるのを感じた。
耳に息を感じる。

「!!...ねぇ。もう、いいでしょ。許して」

稜は放して欲しくて、堪らず懇願する。
これ以上は心臓が持ちそうにない。

「...キスしてくれたら許す」

言われた内容にびっくりして、リョウを見返す。

次の瞬間、唇に柔らかいものが当たった。

ちゅっ。

目の前に、長い睫毛が見える。
何が起こったのか。
顔を離したリョウと目が合う。

ちゅっ。

また顔が近づいてキスされる。

離れたリョウの目が、少し笑っているように見えた。

愛おしい相手を見るかのような目線に、稜は射抜かれたように動けない。

「んっ...」

次は優しく唇を吸われる。
稜は、それまでのキスもびっくりして息をするのを忘れていた。堪らず、息を吸おうとしたところへ舌を差し込まれて、中を犯される。
思わず体を離そうとするも、つよく掴まれていて身動きができない。
ねっとりと中を進んで、稜の舌を探す。逃げようとするのを捕まえて離さない。緩急をつけて舌を舐め回し、あまりの気持ちの良さに稜も応えてしまう。
キスを交わす音がエレベーターホールでより一層響く。

「んふっ...」

蕩けるようなキスに稜は完全に体を預けていた。
躍動する舌が、時折稜の上顎を舐めると、稜は体が震えるのを感じる。

「んんんんっ...」

頭が真っ白になって、何も考えられなくなる。
稜は、いつしか自分から腕を回し、リョウを強く求めていた。

荒い息と共に、思う存分吸い尽くした舌がゆっくりと離れる。

名残惜しそうに、稜がその先を見つめていた。

リョウは、もう一度近づいて、今度は軽くついばむようなキスをする。
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