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NEXT 【完結】
第12章 海とコンビニおでん
心臓音がおさまらない。


言わば、リョウの“本気”のキス。


確かに、あのキスには心がこもっていた。

舌を通じて、たっぷりの唾液と共にリョウの気持ちが入ってきていた。


稜は唾を飲み込む。


何をどーすればいい?

何が何だか。


とりあえず、トイレから出よう。


トイレから出ると、マサトシが会計を済ませて待っていた。

本当に25歳?スマート過ぎる。


「...大丈夫ですか?」

稜がトイレから戻らないのを、気分が悪いのかと思っているようだ。

「ごめんね!お待たせしました」

「丁度日が沈む頃だと思うので、海岸を歩きませんか」


カフェを出て、砂浜を少し歩く。

手をつなぐわけでもなく、無言で砂浜に沿うようにある遊歩道を歩く。

この距離感がなんとも居心地が良いような悪いような。

途中にいくつかあるベンチに座ることにした。
微妙な距離感を保ったままベンチに腰掛ける。

角度的に、海には夕日は沈まない。
雲も多くゆっくり日が暮れる、そんな海を眺めた。

稜が質問しない限り、マサトシはずっと黙ったままだ。


ぼんやり景色を見ながら、やっぱりリョウのことを考えてしまう。

今、隣に座っているのがリョウならー。

この景色を一緒に見てるのがリョウならー。

まず、笑いあいながら手を握って砂浜を歩いて。
仲良く腰掛けて、楽しくおしゃべりしながら夕焼けを眺める。
リョウに後ろから抱きしめてもらう。
あ、逆もありかな。私が抱きしめる。
で、いつの間にかキス...。
辺りが真っ暗になるまでー。



「高崎さん」

「あ、はい」

急にマサトシから声をかけられ、慌ててマサトシのほうを見る。

「そろそろ...帰りましょうか」

「...そうですね」

夕日は、山際にある雲の中にいつの間にか消えていた。
まだそんなに暗くなったワケではないが、随分寒くなってきた。

マサトシは立ち上がり、車の方へ歩く。
追いかけるように稜も歩き出した。

帰りの車の中で、何の話をしたのかあまり覚えてない。
無言になると気まずい気がして、車の中から目につくものを話題にしまくった気がする。

マサトシはそのままマンションまで送ってくれた。
時間が時間だったので、晩御飯を一緒に食べるのかと思ったのだが。

「具合、悪そうだから」

「ごめんね。ありがとう」
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