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NEXT 【完結】
第12章 海とコンビニおでん
デザートも買おうかと思ったが、サスガに朝5時前からデザートはナイな、と思いとどまる。

会計を済ませ、コンビニを出た。

またマンションまでの道を軽くダッシュだ。


しかし、おでんはつゆだくだし、そうでなくても荷物が邪魔だ。

すぐに走るのをやめた。


もう少しでマンション見えるし、もし襲われたらこのおでんの汁をかけて逃げよう。

誰も襲わないだろうし!


早朝でちょっとテンションがおかしい。

おでんのいい匂いがして、気分がいい。


その時、向こうから走ってくる影があった。

早朝のランニング?


稜の方へ近寄ってくる。

まさか、襲われる!?

稜は、体を硬くして目をつぶった。



「どこ行ってたんですかっ!?」



そっと顔を上げるとそこには、リョウの姿があった。

「....え。....コンビニ」

それを聞いたリョウが、足元にしゃがみ込む。

「え?どうかした??」

「...どうかした、じゃないですよ」

「??」

よく見ると、リョウは部屋着のままなのか、すごく薄着だ。

「よく私だってわかったね。こんな恰好してるのに」

リョウがすくっと勢いよく立ち上がる。

メガネでよくわからないが、眉をしかめて怒っているように見える。

「はい。帰るよ」

そう言って、稜の手をむりやり取って手をつなぎ、ぐんぐん歩き出した。

「えっ。ちょっと」


手を引っ張るようにして歩いているので、リョウの顔は見えない。

「ねえ、もうちょっとゆっくり歩いて。おでんが、おでんのお汁が...」

勢いよく歩くので、おでんの汁が、袋の中でこぼれている音がする。
これでは部屋に帰った時に、汁がなくなってしまう。

マンションのエントランスに入り、スピードががくっと落ちた。

「...おでんを買いに行ってたんですか」

「?うん。お腹空いちゃって」

「....」

まさか、心配して探しに出てくれていたのだろうか。

「...こんな時間に出て行く音がしたから」

「...ごめんね」

気まずい空気の中、やってきたエレベーターに乗る。


「...おでん、一緒に食べる?」

気まずさから、とっさにそう聞いてしまった。

顔は見えなかったが、少し驚いた後、尚一層不機嫌になったのが空気でわかった。
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