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NEXT 【完結】
第13章 おでんデート

今、さらっと、なんか言った?
「だって、コンビニのより断然美味しいでしょ」
「...コンビニのはコンビニで美味しいよ」
ちょうど、稜が今朝買いに来たコンビニの前だ。
この横を曲がってもうちょっと先をまた曲がるとマンションだ。
リョウの足がそのコンビニの前で止まる。
「?コンビニ、寄るの?」
「こっち」
「えっ」
リョウはそのまま曲がらず通りを歩いてゆく。
「ちょっとどこ行くの」
「もう少しだけ、いいでしょ」
いいでしょ、とか聞いときながら、答えを待たずに力強く進む。
ドキドキが止まらない。
やっぱりただのご飯ではなかったのだろうか。
リョウの足は、近所の小さな公園に向かっていた。
マンションからすぐ近くのその公園は、稜もよく知っている。
昼間は幼稚園以下のちびっこが走り回る小さな公園。
真ん中が広くなっていて、周りに滑り台が2種類と、ブランコが2種類各4台。鉄棒に、どうぶつの形をしたびょんびょんするやつ。鉄棒。そして、石のベンチがそこかしこ。
真ん中は広く開いているが、小学生がサッカーするには少し狭い。
春には桜が咲いて近所のおばーちゃんたちが花見をしている。
この時間はさすがに誰もいない。
街頭がいくつかあるが、少し暗めだ。
「ブランコ、座ろっか」
「えっ」
「だって、あのベンチ、寒そうだし硬そうだもん」
石のベンチを指してそうリョウがつぶやく。
確かに。
2人で笑って、手をつないだまま隣り合わせのブランコに乗った。
今時のブランコは、座るところが柔らかく体に沿うように出来ていて座りやすい。
もういっこ離れたところにあるブランコは、昔ながらのまっすぐなタイプのようだった。
手をつないでいるので、少し座りづらい。鎖が真ん中に寄り、座面があがる。足を突っ張っていないと、反対に持っていかれそうだ。
「手、離そう?」と稜が話しかけても
「嫌だ」とリョウが離さない。
仕方がないので、つないだままだ。
ブランコが懐かしくちょっと漕いでみたかった稜は、足を少し動かしてブランコの揺れを楽しむ。
「ちょっと。話したいんだけど」
そんな様子を少し笑いながらリョウがたしなめる。
「...ごめん」
「だって、コンビニのより断然美味しいでしょ」
「...コンビニのはコンビニで美味しいよ」
ちょうど、稜が今朝買いに来たコンビニの前だ。
この横を曲がってもうちょっと先をまた曲がるとマンションだ。
リョウの足がそのコンビニの前で止まる。
「?コンビニ、寄るの?」
「こっち」
「えっ」
リョウはそのまま曲がらず通りを歩いてゆく。
「ちょっとどこ行くの」
「もう少しだけ、いいでしょ」
いいでしょ、とか聞いときながら、答えを待たずに力強く進む。
ドキドキが止まらない。
やっぱりただのご飯ではなかったのだろうか。
リョウの足は、近所の小さな公園に向かっていた。
マンションからすぐ近くのその公園は、稜もよく知っている。
昼間は幼稚園以下のちびっこが走り回る小さな公園。
真ん中が広くなっていて、周りに滑り台が2種類と、ブランコが2種類各4台。鉄棒に、どうぶつの形をしたびょんびょんするやつ。鉄棒。そして、石のベンチがそこかしこ。
真ん中は広く開いているが、小学生がサッカーするには少し狭い。
春には桜が咲いて近所のおばーちゃんたちが花見をしている。
この時間はさすがに誰もいない。
街頭がいくつかあるが、少し暗めだ。
「ブランコ、座ろっか」
「えっ」
「だって、あのベンチ、寒そうだし硬そうだもん」
石のベンチを指してそうリョウがつぶやく。
確かに。
2人で笑って、手をつないだまま隣り合わせのブランコに乗った。
今時のブランコは、座るところが柔らかく体に沿うように出来ていて座りやすい。
もういっこ離れたところにあるブランコは、昔ながらのまっすぐなタイプのようだった。
手をつないでいるので、少し座りづらい。鎖が真ん中に寄り、座面があがる。足を突っ張っていないと、反対に持っていかれそうだ。
「手、離そう?」と稜が話しかけても
「嫌だ」とリョウが離さない。
仕方がないので、つないだままだ。
ブランコが懐かしくちょっと漕いでみたかった稜は、足を少し動かしてブランコの揺れを楽しむ。
「ちょっと。話したいんだけど」
そんな様子を少し笑いながらリョウがたしなめる。
「...ごめん」

