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NEXT 【完結】
第14章 料理教室

それから毎日夜になるとリョウからLINEが入るようになった。
たわいもない内容だ。
そんなやりとりがとても嬉しい。
稜はすっかり恋人気分になってしまっている自分にブレーキをかけなければと、控えめに返事やスタンプを打っているつもりだ。
それでも一日に送る量がだんだん増えて来ていた。
短いようで、長かった1週間が終わり、月曜日になった。
どこにゴハンに行くか迷ったが、結局『なかやま』にすることにした。
お店が駅の近くなので、駅前で待ち合わせをする。
稜たちが住む街の駅は、小さ目だが比較的新しい。
バスが3台ほどが並ぶバス停とタクシー乗り場がある。駐輪場は網のフェンスがあるだけの屋外のものだ。
そんな駅前には、ちょっとした待ち合わせスペースのようなものがある。
小さな駅なので大げさなものはないが、いくつか木が植えられ、その花壇のフチが簡単なベンチのようになっている。
そのベンチの辺りで待ち合わせをした。
電車に乗る前に到着時間を連絡しておいたのだが、駅に着くとリョウがすでに待っていた。
人だかりの向こうに、あの茶髪とメガネがチラリと見えた。
座っているリョウに近づくにしたがって、その隣に女子高校生が3人立ってリョウに話しかけているのに気づく。
一方的にリョウに話しかけているようだ。
いつの間にか足が止まっていた稜は、これ以上近づくべきか考えていた。
するとリョウから気づき、立ち上がって稜に近づいてくる。
「おかえり」
「...ただいま」
「行こっか」
自然にリョウが手をつなぐ。
「あの子たちはよかったの?」
まだこちらを伺っている女子高校生たちが気になり、稜が訪ねる。
「うん。だいじょーぶ」
女子高生たちに見向きもせずリョウが答える。
「...ナンパ?」
「あはは。そうだね。逆ナン?かな?」
「マジで?」
「うん。カラオケ行きませんかって」
リョウは涼しい顔をしている。慣れているのだろう。
だいぶ遠くなったのに、まだ女子高生たちからの視線がイタイ。
「この辺、カラオケなんてあったっけ?」
「ちょっと先に出来たじゃん。ボウリングやカラオケとかが一緒になったやつ。あれ、駅まで無料の送迎バスが出るらしいよ」
「...そうなんだ」
なんだか胸のあたりがもやっとする。
たわいもない内容だ。
そんなやりとりがとても嬉しい。
稜はすっかり恋人気分になってしまっている自分にブレーキをかけなければと、控えめに返事やスタンプを打っているつもりだ。
それでも一日に送る量がだんだん増えて来ていた。
短いようで、長かった1週間が終わり、月曜日になった。
どこにゴハンに行くか迷ったが、結局『なかやま』にすることにした。
お店が駅の近くなので、駅前で待ち合わせをする。
稜たちが住む街の駅は、小さ目だが比較的新しい。
バスが3台ほどが並ぶバス停とタクシー乗り場がある。駐輪場は網のフェンスがあるだけの屋外のものだ。
そんな駅前には、ちょっとした待ち合わせスペースのようなものがある。
小さな駅なので大げさなものはないが、いくつか木が植えられ、その花壇のフチが簡単なベンチのようになっている。
そのベンチの辺りで待ち合わせをした。
電車に乗る前に到着時間を連絡しておいたのだが、駅に着くとリョウがすでに待っていた。
人だかりの向こうに、あの茶髪とメガネがチラリと見えた。
座っているリョウに近づくにしたがって、その隣に女子高校生が3人立ってリョウに話しかけているのに気づく。
一方的にリョウに話しかけているようだ。
いつの間にか足が止まっていた稜は、これ以上近づくべきか考えていた。
するとリョウから気づき、立ち上がって稜に近づいてくる。
「おかえり」
「...ただいま」
「行こっか」
自然にリョウが手をつなぐ。
「あの子たちはよかったの?」
まだこちらを伺っている女子高校生たちが気になり、稜が訪ねる。
「うん。だいじょーぶ」
女子高生たちに見向きもせずリョウが答える。
「...ナンパ?」
「あはは。そうだね。逆ナン?かな?」
「マジで?」
「うん。カラオケ行きませんかって」
リョウは涼しい顔をしている。慣れているのだろう。
だいぶ遠くなったのに、まだ女子高生たちからの視線がイタイ。
「この辺、カラオケなんてあったっけ?」
「ちょっと先に出来たじゃん。ボウリングやカラオケとかが一緒になったやつ。あれ、駅まで無料の送迎バスが出るらしいよ」
「...そうなんだ」
なんだか胸のあたりがもやっとする。

