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加虐の皇子と愛玩ドール
第6章 淫虐連鎖
「いつから、お気付きになってたんですか?」
「初めから」
「…………」
泉美の、今や身体の一部だけでも隠そうともしない片腕が伸びて、いにしえの鉄の処女を模倣したそれを引き寄せた。
突然、後方から扉の開く音がした。
「…──!!」
みおりはすかさず泉美に覆い被さって、振り向く。
開いた扉のすぐ側に、栗色のショートボブの髪に、甘ったるく涼しげな目鼻立ち、スレンダーでありながら、泉美に負けず劣らず出るところは出た蠱惑的な身体をチャコールグレーのパンツスーツに固めた美女がいた。
みおりと泉美は、どこか挑発的な、それでいて面白いものでも発見した如くに愉快げな色の双眸に、捕らわれていた。
「あ……し、しほ……様……」
泉美の声が顫えたのとほぼ同時、しほと呼ばれた女性がスマートフォンを操作し出した。それから、さらさらの茶髪の被さる耳に、それが当てられる。
「もしもしー。小菜子ぉ?私のペットが面白いことになっててさ、今から来られない?──…。うん。……うん。第三会議室。…………。……ふふっ。それと庶務課に寄って、投影機も持ってきて。…………そ。私のデスクの下にあるやつ」
じゃあね、と、通話が終わった。
みおりが呆気にとられていると、しほが颯爽とした足取りで、歩み寄ってきた。
「営業の人?」
「そういうとこ」
「──……」
しほは、フルネームを松村しほ(まつむらしほ)といった。ここの庶務課に属していて、泉美の飼い主だという。