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加虐の皇子と愛玩ドール
第6章 淫虐連鎖

 ぱちんっ、と、皮膚を打つ音が立った。しほの右手が泉美の太ももを、長テーブルの下で打ったのだ。

「っ……」

「誰が、声を出して良いと言ったの?」

「申し訳、ありま──…ああっ」

「声!我慢なさいと言ったでしょう!」

 泉美の顔が恐怖でいっぱいになる。

 打たれた脚が顫えているのは、痛みの余韻だけではなかろう。
 泉美の性器は、さっきの貞操帯に固められていた。そしてしほの握っているリモコンが、常時、あの突起を振動させていたのだ。

「っ、んんん……ああああっ!!……」

「仕方ないよ、しほ」

 清楚な化粧に膝丈スカートのベージュのスーツ、そんなありふれた会社員の佇まいをした小菜子の口が、やにわに開いた。

「貴女のペットは貴女というご主人様を差し置いて、営業の方に尻尾を振って腹を向けたんだもの。それくらい、エッチな虐めを受けるのが、大好きなんだ。……ね?泉美」

 小菜子の両手が泉美の頭をボールよろしく掴んで、スクリーンに無理矢理向けた。

「やぁ……ゆっ、るして……恥ずかしいです……見たくっ、……」

「目、閉じんじゃねぇよ」

 ああぅっ、と、泉美の顔が悲痛に歪んだ。
 柔らかな髪が小菜子の両手に引っ張られて、うっすら開いた双眸が、涙の膜の向こうで恍惚とした甘ったるさを湛えていた。

「……はぁっ、はぁ」

「ほら、また、泉美の性器がどアップで映ってる。しほと私、塙岸さんにまで見ていただいて、露出魔冥利に尽きない?」

「はいっ、泉美の……いやらしい性器を皆様にご覧に……なっていただいて、幸せぇ……です……っ」

「あ、しほに命令していただいて、指を突っ込んだね。お汁ぼとぼと。全裸で自分のオナニー映像を見ている泉美も、鉄の処女の下は処女どころか大嵐でしょ」

「ぁっ、……うっぅ……」

「何とか言いな」

「ああっ……もぅ……もう私……」

「泉美」

 しほの鋭利な眼差しが、泉美を三十度の角度からねめつけた。

「真ん中に、這いつくばっていきなさい」

「…………」

「早く」

「っ、はぁ……」

 泉美の身体が椅子からくずおれた。

 貞操帯を装着した飼い猫が、会議室の中央まで這ってゆく。

 しほが続いて席を離れて、貞操帯を外しにかかった。

 バイブレーターから解放された蜜壺から、ぼとぼとっ、と、糸を引く甘い匂いのものが垂れ流れた。
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