この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
加虐の皇子と愛玩ドール
第6章 淫虐連鎖

* * * * * * *

 一月最終日の土曜、レズビアンバー『Gemini』は年末以来の盛況ぶりだ。

 日頃は片田舎の夜空を彷彿とする店内は、学生から社会人、在宅ワーカーまで、あらゆる層の女性達が集結して、色とりどりのネオンが煌めく夜の街を転写してきた如くの色彩だ。カウンターでは、いつもながら三十路らしい品格を備えた店主が、センスの良いカットソーの袖をまくって、恵方寿司を切っていた。

「お待たせいたしました。スティンガーとピーチフィズ、恵方巻六切れでございます」

 みおりがシャンパンを傾けていると、背凭れを飾る観葉植物に隔てられた後方のテーブル席から、鈴を転がすような声がした。

 振り向くと、やはり、今しがたの健康的な接客文句の発信源は、みおりのよく知る人物だった。

 栗色の長い髪にくっきりした目鼻立ち、快活な若さを湛えた顔は、同時にエロティックなあどけなさがちらつく。しっとりしたもち肌は、ビスクドールの器など比較の対象にもならなかろう代物で、細い二の腕、折れそうな手首にすらりとしたウエストは、ふっくらとした乳房をよくも形を保ったまま支えていられるものだと感心する。ほど好い弾力を帯びた臀部はきゅっと締まって、無駄な肉づきのない肉体は、それでいて柔らかな線を描いていた。

 宍倉ほづみ、このバーの店主の妹だ。

 ただしほづみの装いは、今夜は、定番スタイルのロリィタではない。オフホワイトのファーのビスチェにラッセルレースのエンジェルフリルのショルダー、膝上十センチ丈のフリルスカートに、リボンで仕立ててある小花の散りばめられたパレオという、ナイトドレスだ。

「みおりさん」

 みおりの視界の隅っこに、白いレースの布切れが触れた。

「お疲れ様。……見付かったか」

「気付いてましたよぉ。みおりさんがいらっしゃること、お姉ちゃんにも聞いていましたから、お仕事しながら見てました」

「悪い店員だ。接客文句だけは、ファーストフードのお局も顔負けだろうに」

「本当ですかっ?有り難うございます、自信が持てました」

 みおりの隣にほづみがふんわり腰かけてきた。

 若干、侘しかった隣に、一瞬にして馴染んだ気温が戻ってきた気がした。
/278ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ