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加虐の皇子と愛玩ドール
第1章 公開遊戯

「みおりさんも……普通ですね」

「そう?」

「すごい積極的な人に見えたのに、こうしてお話ししていると、普通です」

「だったら良かった?」

「え……」

 ほづみが視線を上げてきた。

 大きな瞳の向こうに、昨夜見た類いの言い知れぬ色がちらついていた。白いボンネットに彩られた輪郭が、罪深いほど無垢に見える。

 この、まるで無防備な顔をした少女は、果たして本当に昨夜の彼女か?

 みおりは触れていた左手の質感を確かめていた。

 ほづみの甲を、手首を、腕を、指で這う。

 さらさらで、柔らかい。

「みおりさん……あの……」

「雅音は?」

「今、お化粧直しに行ってます」

「ふぅん。店にいるんだ」

 フリルの重なったスカートを、ぐっと握った。

 パニエで厚みの出来た太腿の上を、撫で回す。

「あ、あの……」

「スカート邪魔」

「えっ……」

「まくれって、言ってるんだけど」

「…………」
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