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加虐の皇子と愛玩ドール
第6章 淫虐連鎖
「あのぉ」
優しげなメゾの声に振り向くと、女性が一人、控えめに片手を上げていた。
「どうぞ、お客様」
「恋人の方がいらっしゃるのに、いくら妹さんでも、そんな罰ゲームは感心しません。マスター」
「…………」
「そちらの皇子様も参戦されて、万が一笑いすぎ注意画像が彼女のツボにハマったとしましょう。そうしたら、他に敗者がいらっしたとしても、お触り以降の罰ゲームは、全て彼女に請け負ってもらえば良いんです」
「っ、……?!」
みおりの喉から抗議の声が上がりかかった。
この聖母面を気取った偽善者に、言いたいことが山ほどある。もとよりどうせ助け船を出してくれるなら、罰ゲーム自体を反対してもらいたかったものだ。
雅音の知的なカーブを描いた眉が、神妙に寄っていた。
みおりは、それからまもなくして、恵方を向いて巻き寿司にかぶりつくことになった。
雅音が持ち込んだプリントは、地味にクオリティが高かった。その威力は、選手二十三人中二十人が、口を抑えて大笑いし出したほどだ。
ただし、みおりはわざと笑った。二十人中ごく数名も、おそらく同様の疑いがあった。
ほづみの前に十九人の敗者達が列を作って、一人一人、ヘアピンにイヤリングに始まって、サンダル、パレオと続いて、ドールの衣裳を脱がしにかかっていた。
さっきほづみに恋人の有無を訊いていた、極彩色のワンピースの女性の姿もあった。赤々とした唇に、濃厚なオードトワレが香ってきそうなけばけばしさとはよそに、その爪は短く切ってあって、ほづみのビスチェのファスナーを下ろしながら、胸の膨らみを撫でている。ぁっ、と、鈴の音が淫らに昂る音色が、離れていても耳に触れてくるようだ。
「本当に良いの?……ふふっ、これ脱がせちゃったら、ほづみちゃんもう下着しか残らないでしょ」
ほづみの肩に、次の敗者の腕が絡みついていた。
敗者の片手がほづみの太ももをまさぐって、柔らかなナイトドレスの裾をまくり上げる。その胸に触れるか触れないかのところで片手を彷徨わせては、ほづみがびくんと肩を強ばらせるのを愉しんでいる風だ。そして、ナイトドレスがとうとう大理石に落ちていくと、愛玩ドールが、次の敗者にバトンタッチされた。