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加虐の皇子と愛玩ドール
第6章 淫虐連鎖
丑三つ時を回ってまもなく、ほづみの携帯電話に雅音からのメールが入った。
ほづみの白いナイトドレスを再び身につけた身体は、さすがに何事もなかった状態ではなくなっていた。首筋に散らばる血色の斑点、ロープの痕の残った腕、それらを差し引いても、とろんとした気だるげな雰囲気は、シャワーを浴びてもそう簡単に流れ落ちるものではなかった。
「みおりさぁん」
みおりが今しがたシャンプーした金髪を乾かして、群青のベストを重ねたアイボリーのブラウスのタイを結んでいると、ほづみが駆け寄ってきた。
「みおりさんの営業玉砕された方達、『Gemini』で大好評だったみたいです。この通り、写メです」
みおりがほづみのデータフォルダを見ると、栗色のスパイラルパーマの髪の女性が柱に大の字で繋がれていて、ショートボブの美人が彼女めがけて豆を投げつけている画像が出ていた。
「……まじでやったんだ」
「しかも、最後のお客さん達の番で、泉美さんが潮吹いちゃって、しほさんが怒って皆さんの前でアナルにさつまいもを突っ込んだんですって。そこに豆まきの優勝者が割り込んで、泉美さんにクンニさせたんですって!お姉ちゃん、盛り上がって良かったって、みおりさんにも感謝してます」
「……雅音、そろそろいい加減にしないと捕まるぜ」
「常連さんは、お姉ちゃんと一緒でサディストな方がほとんどです。そういうのがいやなお客さんは来なくなるだけですし、問題ないんじゃないですか?」
「──……」
みおりはほづみの涼しい顔を横目に見る。
自分が標的になると怒るくせに、トンズラしても減給を免れた途端、これか。
「ほづみって、現金」
「嬉しいじゃないですかぁ。アルバイト代も無事ゲット。新しいお洋服が買えます」
「どうせ脱ぐものなんかやめて、ウチの製品買いなよ」
「……どうせ使うのみおりさんだし」
二人、荷物をまとめて外に出た。
深夜の郊外は、人っこ一人見かけない。
夜空に、人魚の涙を散りばめた海淵を彷彿とする、澄んだ銀世界が広がっていた。