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加虐の皇子と愛玩ドール
第1章 公開遊戯







 午後九時を過ぎると、『Gemini』の薄暗い店内が、色とりどりの客で埋まっていった。

 今夜の主催者、雅音の姿は、いつもの定位置、カウンターの向こうにあった。
 
 拷問場は、今宵、どのテーブル席からも見えていた。
 普段は仕切りの役目をしている観葉植物が、隅に寄せられていたからだ。

 みおりは拷問場の中央にいた。

 ほづみも傍らの椅子に落ち着いていた。みおりと違って真っ裸だ。

 ほづみは、脚を開けて椅子の肘掛けの左右それぞれにかけてあって、足首と手首とが、一つずつに束ねてあった。
 上体は、手足を縛ったものと同じ、赤い縄で背凭れにくくりつけてある。白い肢体に縄がぐるぐる巻きついていて、乳房が、その圧力で突き出た格好になっていた。濡れた蜜壺は丸見えだ。

 観衆の誰もがほづみを見ている。

 当然だ、と、みおりは思う。

 みおりとて、これだけエロティックな少女に、未だかつてまみえたことがなかった。

「さぁ、ほづみ?始めようか」

「……縄、ほどいて下さい」

 ほづみがぶっきらぼうに顔を逸らせた。

 みおりは彼女の心音に近い方の胸を鷲掴みして、乱暴に揉み出す。

「あっ、はぁっ……」

「ほづみさ、自分の状況、分かってる?」

「みおりさ、やめ……ぅんっっ」

「逃げたいなら良いよ。ただし君が動けば動くだけ、この紅い縄が身体に食い込む」

 固く膨らんだ乳首の丸みをつねり上げると、ほづみの吐息のトーンが上がった。
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