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加虐の皇子と愛玩ドール
第7章 耽溺被虐
「悪い人形には罰がいる」
舐めな、と、感じやすい耳朶にキスすると、ほづみの口からエロティックな舌が伸びてきた。
「ん……」
棒状の玩具にまばらに散らばる小さな突起が、みるみる内にてかっていった。
ほづみの舌は、わざと淫猥な動きをして、唾液を絡めつけている風だ。びちょっ、びちょ、と、口の端からこぼれ出たものがその顎を伝う。
「随分、威勢の良いしゃぶり方だ。美味いの?今からほづみのいやらしい口に突っ込むやつ」
「……はい、みおりさんが私の中に挿れて下さるものは……んん、何だって……美味しいです……」
みおりはほづみのとろんとした眼差しを受けたやにわ、第三者の気配を察知した。
「っ……」
みおりは弾かれるようにして、ほづみのスカートを元に戻しす。そして、バイブレーターと濡れた片手を腰の後ろに隠す。
顔を上げると、この店の店主、宍倉雅音の姿があった。
「ぁっ、お姉、ちゃん……」
半分ほどディナーの残ったテーブルに、この季節に些かそぐわない涼しげな色彩のデザートを盛ったグラスが二人分、華を添えた。
「食後に頼んだはずだけど」
「終わりそうにないから。お楽しみのところ悪いけど、手の空いている内に、話しておきたいことがあるの」
「改まって、何?」
「この前みたいなバイトはいやだからねー」
みおりとほづみの二人分の荷物がどけられた。そうして向かい側の空いたスペースに、雅音が静かに腰を下ろした。
* * * * * * *
土曜日の午後、みおりは見ず知らずの街にいた。人間と路線の密集地帯とも呼べようこの土地は、地元から新幹線に一時間ほど揺られた先の、言わずと知れた首都圏の中枢だ。
みおりはほづみと朝っぱらからの長旅の後、ホテルにチェックインした。それから早々に荷物を置いて、東京観光に出掛けていった。
休日の都会の街は、地元の駅周辺など比べ物にもならないほど人でごった返していた。
二人、休暇中の会社員や学生らの波を縫って、兼ねてから共通の愛読誌から収穫していた知識を頼りに、目的地を歩いて回った。そして今、ロリィタファッションの金字塔と呼ばれる某アパレルメーカーの本店を訪ねたところだ。