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加虐の皇子と愛玩ドール
第8章 仮想忘憂
「この前の動画、出してごらん」
『はぁっ、……』
みおりはほづみがスマートフォンを操作している微かな気配に耳を傾けながら、薄闇を見つめる。
ややあって、新たな音声が流れてきた。みおりが先日、ほづみを撮影した動画だ。
動画は、みおりがほづみからブラジャーを除く一切の下着を外して、ソファの肘かけに各々の脚をかけさせる準備に始まったものだ。
みおりはほづみの皮膜の薔薇を膣鏡で押し開くと、ピンセットにくるんだガーゼを薬浸しにして、花蜜に溺れた膣壁の奥深くまで塗りたくった。塗っても塗っても逆流してきたとろみは、薬か、体液か。ほづみの啼き狂う様相を思い起こせば、春情を促すものの効果が全て外に流れ出ていたとは考え難い。それからみおりは冷淡な医療器具をドールから抜くと、グロテスクな凹凸を備えたディルドを与えて、近くの椅子に落ち着いた。みおり自身はほづみのスマートフォンを預かって、撮影に徹したのだ。
『はぁ…………はぁっ、みおりさん、近……ちか、く……──すぎ、です……』
「覚えてないな。どんな風に撮ったっけ」
『最初は全体……だんだん、はぁ、ぁっ、……ズームアップ、に、なります……はぁっ……』
「それで?」
『ほ、づみのぐしょくじょのお口……画面いっぱいに映ってます…………ピンクと、赤と……灰っぽいサーモン…………はぁっ、太もも、くねくね踊って、……気持ち、良さそうです……っ、ん、はぁっ、……──挿れさせて……下さい、って、……お願いしながら……玩具で、性器をいじってます……』
ぁっ、あん、あん、ああああっ…………と、現実のほづみと動画の声が、子機の向こうでいとも淫らな狂想曲を奏でていた。
ほづみのスマートフォンから流れ出てくる音声に、時折、みおりの声も混じっていた。
みおりは動画を撮った時、ほづみに、すぐに衝動に従うことを許さなかった。つぶさに指示を出しながら、薬がもたらす春情に耐えるよう戒めて、ひたすら焦れったいところをいじらせたのだ。
「ほづみは今、二つのいやらしいほづみ自身を見ているんだね。鏡と、動画。全裸になって、自分でヤッている姿を眺めて……下の口、相変わらず五月蝿いよがりようだ。奴隷でも、ここまでになるのは躊躇うよ」