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第8章 仮想忘憂

「もっ……と、もっとやって下さい！！……ほづみの、身体中、いやらしいことして下さい…………はぁっ、ぁっん、みおりさん……狂いそっ…………でも、おかしく、なるほどして下さい……っっ」

　ほづみの身体が弓状になる。彼女を吊るしたロープが揺れる。陰部と首とを結んだテグスがぴんと張って、恐怖の色のほとばしる双眸が虚ろになるや、淫靡な芳香をまとった肢体がぴくぴくぴくっ…………と引きつった。
　残酷なまでに興奮したほづみの蕾は、もはやクリップを滑り止めにする必要もないほど、きゅっと輪の圧迫に締めつけられていた。







　みおりはほづみが二度気を遣ったところでロープを解いた。
　それから、また、ほづみをフローリングに跪かせた。肩やうなじ、背中をキスで啄みながら、たぷたぷと踊る乳房を揉む。
　みおりはほづみの臀部が唾液や彼女自身の分泌液に浸水すると、二十四時間前は自慰に法悦していた肉壺に、中指と人差し指を一気に滑らせていった。

「ぁんっ、ああっ……」

　背骨をキスでなぞっても、締まった腹を撫でさすっても、ほづみの身体はくねくね動く。まるでほづみを形成しているパーツの一つ一つが、本人の意思とは別の次元で各々の生命を持っているようだ。
　みおりは片手でほづみのすみずみまでまさぐりながら、肉襞の壁を抜き差ししてはかき混ぜて、今や知り尽くした喘ぎやすいところをこすり立てる。

　ほづみから指を引き抜くと、ふやけたそれを口に含んだ。ほづみの無色透明な味は、今にも彼女の甘い甘いブーケの匂いが香ってきそうだ。

「ほづみ。……」

　四つん這いのドールの身体を起こして、膝に臀部を下ろさせる。
　太ももに得た重みから、ロングパンツにほづみの温度が染みてきた。

　みおりはほづみの唇をなぞる。触れるか触れないかほどの力加減で乳輪を撫でて、肉厚の花びらをこじ開けてゆく。規則正しく並んだ白い貝殻を、舌先で撫でる。

「んっ…………」

　みおりはほづみの歯列の向こう、鈴を転がすようなソプラノを操る柔らかな肉塊を求めて、更に奥へ奥へと入る。
　ちゅぱ、ちゅ、じゅるっ、と、甘ったるい水音が、啄み合う唇の中で行き来していた。