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加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引

 ほづみの鈴を転がすようなソプラノに、甘えたな音色が濃度を深めた。みおりがベストの下に着ている、襟にも袖口にもブーケの刺繍の入ったレースがたっぷりあしらってあるブラウスの袖に、ほづみの人懐っこい指がじゃれつく。
 みおりは自分の腕をいたずらにくすぐるドールの片手をその手首から捕まえて、大きなウエストリボンの結んであるくびれを引き寄せた。

 智花を伴ってきたのは至極単純な経緯からだ。

 みおりは夕方、はづるの指令通りに智花の女体を開花させ、はづるの意趣通りにオーガズムへ導いた。
 ただし、智花は二十三年間、新品の体内を保っていた。膣内だけでエクスタシーに追いたてるのは至難の業だ。みおりは飴と鞭を使い分け、定番アダルトグッズを駆使し、智花を口説き、くまないキスと陰核への執拗な呼び水を極めたのである。
 生来そうした体質持ち合わせていたのだろう、智花は見事に被虐に目覚めた。
 みおりはプライベートで抱いて欲しいとせがまれた。特定の愛玩ドールがいることを伝えると、さすればせめて出逢いの場を提供してくれと要求された。そこでみおりが思いついたのが、行きつけのレズビアンバー『Gemini』だ。

 みおりは、ほづみに気遣って道楽を犠牲にした例はない。されど智花を私的な場所で抱こうという気になれなかった。

 幸い『Gemini』は、店主を始め、客もサディストが多くを占める。智花がパートナーを見付けられるかはさておき、今宵を外しても雅音が得意のイベントでも企画しようものなら、少なからずチャンスは生まれる。

 みおりはほづみのひときわチークの密度の高い頰骨から、死角に覆ったキスを離すと、群青の照明に染まった店内へ入っていった。






 みおりは智花と夕餉をとった。チーズの盛り合わせにチキンのピッツア、新鮮野菜のサラダという、栄養価満点の献立を求められるのは、料理の腕前にかけては中より上の店主が切り盛りしているバーでこそである。
 二人、夕方から消耗していた。みおりも智花も熱々の料理に舌鼓を打った。そうしながらみおりはシャルドネのシャンパンを、智花はピーチベースのカクテルグラスを傾けた。

 午後九時を過ぎた『Gemini』は、みおりや智花らほぼ身内の顔触れの他に、やはり馴染みの常連客の三人と、観葉植物の仕切りの向こうのカップルシートにいる客のみが散らばっていた。
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