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加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引
「本当、感心するわ。……って、ほづみちゃんいるけどこんな話して良かったの?」
みおりは近くで歓談していた二人連れの客達に、失笑にもとれる注目を向けられていた。
顔見知りの一人は唯子(ゆいこ)、ほんのり脱色したセミロングの髪をうなじに束ねて、ショッキングピンクのカットソーにジーンズを合わせた、ラフな感じの風柄の女性だ。薄化粧のかんばせはきわめて淡い。美人の類に入る唯子は、ネットライターを生業としており、今日のような平日でも、深更遅くまで酒を仰いでいる。
そしてもう一人は笙(しょう)、シャギーにすかしてある黒髪はレースのカチュームで飾ってあって、タートルネックのカットソーにロングワンピース、三十代に入ったばかりの健康的なかんばせは、連れの唯子くらいには質朴な化粧で装ってある。唯子とは大学以来の友人らしい。
二人とも、みおりとほづみの馴れ初めから今に至るまでをあらかた知っている顔触れだ。
「聞かれてまずいことでもないよ。私も智花とヤったのは上の命令だったし、サンプルの効果は試せて智花は晴れてマゾ自覚。結果良ければってやつ」
「わっ……塙岸さんそういうとこ相変わらず開放的。私ならペットがそういうことしたら、刺すわ」
「私もむしろほづみちゃんが理解出来ない!あー……でも好き。塙岸さんもほづみちゃんも、話聞いていて飽きないわ。この間はほづみちゃんに皇子服着せたんでしょ。学校の論文の研究だっけ。男装?で、一週間も経たない間に、会社の後輩の処女膜破壊。そろそろまた公開遊戯はしないの?」
「パス。ボランティアじゃないんだから。それは……雅音の犯罪級の企画のお陰で、ほづみと知り合えた。けど、節分の時と言い、私は客。ほづみも素人」
「素人だから良いんじゃない。特にほづみちゃんの裸は良いわぁ……私、ペット以外の女の身体なんて興味なかったのに、ほづみちゃんは例外だもん」
「塙岸さんの鬼畜ぶりも良いのよね。年末は冗談抜きでお手洗い借りたくなっちゃった」
「──……」
唯子と笙が、わっ、と盛り上がる。