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加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引
すっかり好色扱いだ。無理もない。
みおりがほづみと出逢ったのは、雅音の係蹄に首尾良く嵌められて、彼女を『Gemini』のイベントの余興の中で手篭めにするに至った前夜のことだ。みおりは観衆の前で全裸のほづみを拘束し、なぶり、果てないようなエクスタシーを余儀なくさせた。ほづみの恥丘を覆っていた茂みを余すところなく剃って、宴の後は、出逢って二度目のドールを連れ帰ったのだった。
「お待たせいたしました。カルーアミルクとドライビールです」
ほづみが二つのグラスを持って、唯子達のテーブル席に足をとめた。
たった今までこの罪なき従業員の痴態を振り返っては盛り上がっていた真の好色二人が、各々の注文したドリンクを受け取る。
「あ、そうだ。皆さん今お話し盛り上がられてますか?」
ほづみの唐突な質問に、一同、ぎくりとしたのは言わずもがなだ。
「今日、お客さん少ないじゃないですか。折角顔見知りの皆さんお揃いですし、みおりさんのご紹介の新規様まで来て下さってて、お姉ちゃんの提案で、王様ゲームをしないかというお話になってるんです。いかがでしょうか?」
「ほづみ、──…」
「やるわ。賛成」
「この面子で燃えますねっ。やりたいです」
「学生時代を思い出すなぁ、塙岸さんっ、私、良い時間にご一緒させてもらったんですね」
「…………」
「じゃ、お姉ちゃんに伝えてきます。皆さんもう暫くお待ち下さい」
ほづみがとっておきの愛嬌を笑顔に乗せて、一礼した。
…──雅音のいつもの罠だ。
警戒を促せるまもなく、みおりの屈託ないドールはカウンターへ戻っていった。