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加虐の皇子と愛玩ドール
第1章 公開遊戯

「みおり」

 振り向くと、雅音がカウンターで頬杖をついていた。

「ほづみはストレート弱いから、口移しで飲ませてみてよ」

「ストレートって……何の?」

 つと、側にいた女性の一人が腰を上げた。

 女性の座っていたテーブルに、ウイスキーのボトルがある。

 彼女がボトルをグラスに注いで、それを片手に歩いてくる。その瞳は官能の色に濡れていた。

「興奮しちゃった……」

 みおりの前に、悩ましげな息を乗せて、鼈甲色の液体を満たしたグラスが差し出されてきた。

「私の奢りよ」

 みおりは半ば引き寄せられるようにして、グラスを受け取る。

 指先が、女性のしっとりした手に触れた。
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