この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引

 その朝も、ほづみは自慰明けの爽やかな身体を引っさげて、名門校に向かっていた。ただし、通常より二本も遅い電車に揺られてのことだ。
 日夜甘い快楽に耽った甲斐あって、さばかり性感を知り尽くしたほづみの指は、ほづみ自身になくてはならなくなっていた。心身の休息を貪るために指を休ませることも惜しかった。ほづみはある火曜日の深夜、例の如く自慰に耽って、目覚まし時計のアラームを聞き逃してしまったのである。

 ほづみの通っていた私学は、ショートホームルームが始まると、昇降口が封鎖される。遅刻した生徒は来客用のエントランスから入って、学年、クラス、名前を書かなければならないのである。教師が自宅に生徒が遅刻した旨を言いつけるためだ。

 ほづみが校門を走り抜けると、今まさに昇降口に鍵をかけた教師が去っていったところだった。締め切られたガラス扉…………向こうに見える教師の耳は、ほづみが叫べば声こそ拾えど、要求まで受け入れまい。

 学校を離れた場所ではとりわけ砕けた両親も、時間に関してだけは厳しい。遅刻が知れれば難詰される。

 そうこうしている内に、昇降口が閉ざされて、一分経った。そう、たった一分だ。たったそれだけの時間差で、個人の優劣が判断されてたまるものか。

 ほづみは来客用のエントランスに走った。
 声楽部で鍛えた肺は、これくらいの運動で息に差し響くことはない。ほづみは洒落た焦げ茶の扉を突き破らんばかりに開けると、悲壮な顔を装った。

 エントランスの受付にいたのは何度か見かけたことのある事務員だ。
 きりりとした小顔に愛らしい双眸、毛先だけカールした栗色の髪は、衣服の中で優れた形を主張している乳房にふわりと被さっていて、いかにも今時のお姉さんといった感じだ。スパルタの私学に勤務しているとは信じ難い。
 この事務員は、気さくな人となり、一年前まで大学生だったという若さからも、生徒達に人気があった。
/278ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ