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加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引
「んっ、……はぁっ」
「湿ってるわね。今日こんなに寒いのに……おねしょや汗にしてはとろとろよ」
「ぁっ、んっん」
「どんな具合か見てあげる。そこに乗って、脚を広げてごらんなさい」
「や、です……もう部活に戻ります」
「条件って、言わなかった?」
パンティからゆかの指が抜け出ていった。
ほづみの襟ぐりが掴まれて、耳元に、神さびたメゾを奏でる唇が触れた。
…──今朝のこと、黙っていて欲しいんでしょう?
いとも陰湿なささめきは、ほづみの耳に、甘く痺れる媚薬に変わって染み通ってきた。
物置小屋に呼び出された放課後から、ほづみはゆかと逢い引きを繰り返すようになった。
例の場所で、時にはゆかの自宅に招かれて、ほづみは恋人同士の閨房ではありえなかろう快楽的道楽の玩具になった。
恋人ではない、玩具だ。ゆかの施してくれることに、ほづみが拒否権を振るうことはない。ゆかに抱かれている間、ほづみは肉体だけが活発な、心魂は眠った人形だからだ。
可憐で気さくな事務員は、精神的な恋愛さえも焦れったがる、好色のサディストだったのだ。
ゆかの名前を知って二週間が経った。
ほづみは今夜も例に洩れなく、一端私宅に戻った後、ゆかの家を訪ねていった。
両親と姉に干渉されることはなかった。
学校の事務員に課題を見てもらうついでに夕餉を馳走になる。そうした口実は、むしろ優等生が口にしよう口舌として受け入れられた。
腰まである黒髪をヘアアイロンでカールさせて、かんばせには淡いピンクの薄化粧、それからお気に入りのロリィタ服でめかし込んでいると、支度だけで時間がかかる。ほづみはそれから私宅と反対方向のゆかの住居に向かうものだから、約束の時間にいつもぎりぎり間に合っていた。
ほづみが玄関のチャイムを鳴らせた頃、ゆかに指定されていた時間を五分過ぎていた。
「遅いわ」
ほづみはゆかに謝りながら、勝手知ったる家屋の敷居を跨ぐ。
框に荷物を下ろして大きなリボンのあしらってあるストラップシューズを脱いでいると、後方からゆかの腕が巻きついてきた。主人の厳しい難詰を注ぎ込まれていたほづみの耳に、火照ったキスが施されてくる。
耳腔に舌が差し入ってきた。奢侈に飾ったほづみの乳房が、ゆかの指に乱暴に揉まれる。