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加虐の皇子と愛玩ドール
第9章 快楽誘引

 ややあって、ほづみの拘束された側に、ボックス型の機具が据え置かれた。
 機具は数本の導線が伸びており、先端にクリップが取りつけてある。天辺に調節レバーと見られるものが、側面に、握れるほどのレバーが一つあった。

 ほづみの内股にクリップの一つがあてがわれてきた。
 ゆかがサイドレバーを下ろした。

「ぅっ?!」

 びりりっ、と、クリップから激痛が起きた。
 ほづみが悲鳴を上げかけたところで、ゆかがレバーを元に戻した。

「…──っ、ぁっ……」

 ほづみの乳首が引っ張られるや、クリップの一つにつねられた。
 ひやりとした硬質な刺戟に、ほづみがうっとりした心地に包まれかけると、もう一方の乳首にも、同じクリップがあてがわれてきた。

 ゆかが側面のレバーにロープを結んで、余った端をペットボトルに結びつけた。

「くわえなさい」

「んんっ」

 ほづみの口にペットボトルの頭が突っ込まれてきた。
 ペットボトルは半分ほど水が入っている。少しでも力を緩めれば、ベッドから転げ落としてしまうだろう。さすればロープに繋がれたレバーも、一緒になって引力に従う。

「電気責めは知っている?」

「っ……」

 ほづみの乳首が指の腹に撫でられながら、クリップの刺戟が補翼してくる。

「それ、落としたらスイッチが入るから。ほづみの身体がどうなるか、大体の想像はつくでしょう?」

「んっ!!……」

 くいっ、と、ゆかのクリップをつまんだ指先が、合皮ベルトの真上で輪を描いた。
 ほづみは開きかけた唇を結ぶ。キャップを噛んで、腰をくねくね動かしながら、さっきよりは人肌に馴染んだクリップと指の腹の刺戟に耐える。

「…………」

 機器から伸びた導線は、十本あった。
 乳房の根元、二の腕、太もも、性器の割れ目を囲った肉襞に、残りのクリップが施されてゆく。ほづみは恐怖を訴えながら、恍惚と、ゆかに欲情の兆しを主張していた。
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