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加虐の皇子と愛玩ドール
第10章 淫楽引照


 バシャッッ…………


 やんごとなきドールの顔面が洗面から飛沫を起こした。

 唯子がほづみの後頭部を三秒ほど押さえつけ、その間にも、ゆかは何事もなかった顔で、ほづみの秘境を蹂躙していた。


「はぁっ、はぁ……あっ、はぁっ、……」

「お礼は?」

「あっ、りがと──…」


 バシィィィッッ…………


「きっ、気持ち良く起こして……いただいてっ、ありがっとう……ございます!!っ、……あんっあっ、あっあっ、……っっ」

「そう、気持ち良いの……」

「はいっ……こんな変態の身体をっ、…………はぁっ……お姉様方のお好きなようにしていただけて、しあっ幸せです!!……ぁっ…………ぁぁっ、ああ!!……」

「貴女のご主人様、見てるのに?」

「死んでも治らないっ、変態は……ちゃんと知っていただいて、丁寧に謝らせていただきます……あああっっ!!…………」



 幸せです。幸せです。幸せです。…………



 憑かれたように繰り返し、ほづみは視覚をなくしたまま、間断なく気を遣った。



 観賞を決め込むのも悪くはない。


 みおりの脳裏に、ふっと、さっきの情けない男の顔が過ぎった。

 お灸の据え方を誤ったかも知れない。
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