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加虐の皇子と愛玩ドール
第2章 暴虐願望
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爽やかな真冬の気体が、青白い空から降り注いでくる昼下がりの光を浴びた地上を満たしていた。
塙岸みおり(はなぎしみおり)は、ひんやりした昼下がり、明るい表通りの路地裏にひっそりとある、カップル専用のファッションホテルの一室にいた。
部屋は、床を除く全ての面が鏡張りだ。深紅の薔薇のガーランドがあちこちに蔓延らせてあって、ダブルベッドにドレッサー、それからソファやテーブルに至るまで、全てがゴージャスなデザインのインテリアでまとめてあった。但し素材は安っぽい。
近辺は、風俗店が多くを占める。このホテルも、いかにもマニアックな人間が涎を垂らすような演出が、行き届いているようだった。
みおりの前方に、女性が一人、無色透明の椅子に拘束されていた。
女性は、名前を初瀬志代果(はせしよか)という。大手通信販売メーカーの代表取締役だ。
くっきりした目許に涼しげな顔立ち、志代果の胸を覆うくらいの黒髪は、傷み一つなく艶やかだ。柔らかな身体は、ほど良く膨らんだ乳房を始め、ウエストからふっくら広がったヒップのライン、健康的な太ももからすらりと伸びたふくらはぎの線まで、これでもかと言わんばかりに扇情的だ。
志代果は、裸だ。
腕は手首と二の腕、左右どちらも二ヶ所ずつ背もたれに固定してあって、太ももは開いた状態で、肘掛けに枷で留めてあった。シートは低く設定してある。必然的に、深く腰かけることになる。しかるに、志代果の性器は、今、眺めやすく触れやすい角度になっていた。