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加虐の皇子と愛玩ドール
第10章 淫楽引照
みおりは夕餉を味わってゆく。
不思議な気持ちに引きずり込まれる。
気まぐれな道楽に付き合う女や、私宅やホテル限定の恋人なら数多いた。
ほづみだけが異色だ。一緒にいて、快楽を共有出来る所有物でありながら、ほづみの人格そのものも、みおりにとって不可欠だ。
恋だの愛だのは人のあらゆる可能性を刈り取る。ただ一人のものと呼ばれ、身も心も羈束し合うなど、滅びの道でしかあるまい。求めるだけの価値もない。
さすれば、ほづみにいだくこの想いは、都合の良い友愛か?…………
ライトアップが評判の花見名所は、幻想的な夜景に包まれた。
自然の夜闇が危められない程度のライトが薄紅の木々を幽玄に引き立て、遠くに光の潮汐波が煌めく。人口の銀河が夜闇に魔法をかける度、広場の方角から歓声や拍手が上がる。
「きれーいっ!今年凝ってる!毎年こんなにきらきらじゃないですよっ、みおりさん!」
「ライトアップっていうから、ここまでとは思わなかった」
「そっか、初めてなんですもんね」
「知ってたら毎年来てたかも」
片腕に抱いていたほづみと目が合った。
淡い光が白い頬を妖しく照らし、美しい宝石の透明感を湛えた瞳が、明滅を吸って潤んで見える。
「──……」
みおりはほづみに唇を寄せる。
あえかに伏せ、頬にほのかな影を落とす長い睫毛──…甘辛い光に包まれて、みおりはほづみと影を重ねた。
「ん……」
レースにくるまれた片手を探って、指に指でじゃれついて、みおりはほづみの唇を撫でる。リップグロスが舌先に独特の匂いをもたらし、なめらかな歯列をなぞりながら、更に奥を求めていった。
「はぁっ、んん」
ちゅっ……ちゅるっ……じゅる…………
フレキシブルな動物が、みおりの舌に従順に応える。極上の果実を見つけた獣の心地で、みおりはほづみの味を貪る。
「ん、みおりさ……んっ、……はぁっ、……」
ほづみのボレロのボタンを外して、盛り上ったまろみをしごく。煩わしいほどボリュームのあるスカートのフリルをまくり上げて、ドロワーズから太ももを撫でる。
「はぁっ、……はぁっ、……」
吐息の向こうに悲鳴がとけゆく。
みおりはブラウスのボタンを外して、乳房の谷間を指でなぞった。
その時だ。