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加虐の皇子と愛玩ドール
第11章 一対勾引
「偶然にしろ、貴重な報告を有り難う。リバのカップルに限らず、二人のペットを所有しているご主人様にも今後需要がありそうね。広報部に言っておくわ」
「どうも。じゃ、私はこれで──」
「あっ、もう一つ質問」
上がりかけたみおりの腰を、はづるの声が引きとめた。
「まだ何か」
「ゆかさんとの勝負。米原さんがイキまくっていたら、彼女にヤらせるつもりだったの?」
智花のなごやかだった空気感がやおら凍った。
無理もない。みおりが初体験の相手をした後輩は、いっそ傲慢なくらい強かなゆかを慕っていた。百年の恋が冷めるまでではなかったにせよ、ショックは大きかったろう。
「仕事と全く関係のない話だと思いますが」
「気になるから」
「…………」
「愚問です」
二日前の深夜午前が思い起こされてくる。
みおりは相部屋となった一組の内一方に、前代未聞の勝負を持ちかけられた。
万が一負けていたとする。さすればほづみのいる前で、少なくともみおりにとって醜態を晒すことになっていた。
ただし勝敗は目に見えていた。
ほづみは催淫作用のあるサプリメントを塗りたくられて、口にまで抉じ入れられていた。智花が感じやすい身体であっても、ほづみに敵う見込みはなかった。
おまけにほづみがあの状態でなかったとしても、不利はなかった。
「キスの時点で、彼女、蕩けてました。万が一にも私が罰ゲームを受けることになっていても、ねじ伏せられた自信はあります」
「初めからそういうつもりだったんですかっ?!」
「さすが……鬼畜」
「ゲームにおける口約束は、弱肉強食で覆すためにあるんです」
智花に慰めの一言を添え、みおりは今度こそ事務室を後にした。