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加虐の皇子と愛玩ドール
第11章 一対勾引

* * * * * * *

 商品開発部の特別品評会に協力してから二日が経った。


 前期の講義も始まっている。ほづみは姉の店を手伝うことなく、今夜もみおりの私宅にいた。


「はぁっ、あん……」


 ターコイズと赤が基調のブーケ柄のシーツに、白いドールの裸体が一つ──…あるじの意思とは別に動く生き物が、みおりの下でくねっていた。


「んっ、んん!……ぁぅ」


 花びらに優る柔らかな割れ目が喘ぐ間近で、金属音がしゃらしゃら立つ。

 ほづみは、いつかの夜の拘束具をつけていた。首と手首を繋ぐ枷、智花と共有させていたものだ。


「……相変わらず貪欲な膣内(くち)だ。私の指、どろどろにして吸い上げてる」

「やんっ、だっ……て……あっ、そこっ!そこあんまりこすらないで下さ──…っっ」

「ほづみが欲しがるからだろ。ほら、またここ……強情な口先の代わりに、股の間は正直だ。……顔、いやらしいよ。鏡見る?」

 いたずらなキスを離し、みおりはチェストに手を伸ばした。

 手鏡に、顔全体を淫らに歪めたドールを映す。


「やぁぁっ……やだぁ!あんっあっ……あっ」


 恥骨を覆ったざらつきを小刻みに叩き、四本目の指をほづみにこじ入れてゆく。柔軟な肉は食いつかん勢いで指にまといつき、余った愛液を塗りつけていた乳輪は、左右ともそばだっていた。


「あぁぁんっ……っ!あっあっああっ……ふ!」


 下唇を唇で食み、舌先でやおら唾液を掬う。そうしてみおりは、今またほづみをキスで塞いだ。

 口内を舌で撫で回し、厚い肉を隅々まで舐めてゆく。


「あう……ん!はぁっ、はぁ」


 鏡を外しても、エロティックな顔は同じだ。

 みおりはキスを重ねながら、内壁と陰核を揉むようにして愛撫を続けた。甘やかな苦悶が呻吟に変わる。呻吟がほづみを近くも遠い彼方へさらう。


「あああっ……ダメぇぇ!来るっ、来るっ、ああああああっっ…………」


 きゅぅぅぅ…………


 ひときわ激しい収斂が、ほづみを襲った。次の瞬間、不可視の糸がふつりと切れた。


 抜け殻のような女体をキスで啄み、ほづみを呼ぶみおりの唇は、やがて恥丘に至る。

 ひくっ、ひくっ、と、濡れた身体がシーツにたわむ。


 咥えるものをなくした割れ目に、真新しい潮が滲んだ。
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