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加虐の皇子と愛玩ドール
第12章 錯綜同衾
「お"えぇぇぇぇぇぇぇ」
ユニットバスから水流音が立った。
部屋に戻ったほづみの足どりは、覚束なかった。
「食べ物を戻すなんて、お行儀の悪い子」
「吐いたの?」
「すみ、ません……」
「謝る態度じゃないな」
「──……」
ほづみは寝台の側に倒れこむようにして膝を折った。
みおりは三つ指をついたドールの片手首を持ち上げて、尖った乳首を軽くつねった。
「土下座なんて、いいよ。余計にほづみがよがるだけだし」
「…………」
「みほちゃん」
みほこがカーテンを開けた。
山に面したこの部屋は、緑の絶景が見渡せる。窓の上辺に突起があった。太いフックで、耐荷重は二十五キロだ。
みおりはほづみを引きずって、その両手首をバンドに繋いだ。
合皮の手枷は二本の手首を揃えて固定し、鎖の持ち手が付いている。みおりはほづみを窓に向かせて、その鎖をフックにかけた。ほづみのかかとがフローリングを踏んだまま、たゆんだ腕が窓の上方に持ち上がった。