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加虐の皇子と愛玩ドール
第2章 暴虐願望
* * * * * * *
みおりが待ち合わせしていた二人目の少女は、駅前のビルの自動扉のすぐ近くに先着していた。
少女、宍倉ほづみ(ししくらほづみ)は、相も変わらず高貴なドールの風采をしていた。
透けるような陶磁肌に、腰まであるさらさらの髪、その身体は豪奢なレースやリボンがたくさんあしらってあるラメワッフルの白いコートにくるまれていても、類稀なスタイルだと一目で分かる。
そして、崇高で官能的な雰囲気が、ほづみをとり巻いていた。
「ほづみ」
「みおりさん!」
「こんばんは」
「こんばんはー」
みおりは、ほづみの栗色の髪の毛先を掬う。
しっとりした柔らかなものが、指先にまとわりついてきた。
天使は、この世界に実在していた。
みおりは触れても消えなかったほづみの髪の質感を確かめ終えると、それを指先からさらりと流した。
「えへへ、くすぐったいです」
「今、帰り?」
「はい、今日は学校がありました」
「お疲れ様。行こっか」
みおりはほづみの左手をとって、自分の右手と組み繋いだ。
二人、改札口へ向かって歩き出す。
「お会いするの、二度目ですね。あ、三度目か」
「雅音とはよく会ってるけど、ほづみとは……そうだな」
「みおりさんはお姉ちゃんのバーの常連さんですもんね。私も卒業したら、もっとみおりさんに会えるかな」
「手伝うの?」
「一応、そういう予定です」
みおりがほづみと知り合ったのは、ついこの間だ。
ほづみには、宍倉雅音(ししくらまさね)という姉がいる。雅音はみおりの友人で、レズビアンバーを経営している女性だ。
みおりは先日、雅音にその店のボランティアを持ちかけられた。雅音の主催するナイトイベントで、ほづみをパートナーとして、公開SMを披露するというものだった。