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加虐の皇子と愛玩ドール
第2章 暴虐願望

「あの夜、ほづみは人気だった。正式に従業員になれば、雅音も助かるだろうな」

「私は、もうあんな協力はしません。第一、お姉ちゃん、立地が原因でお客さんが少ないって分かっているなら、移転すれば良いんです」

「『Gemini』はそこが良いんじゃない?ちょっと田舎の雰囲気がある、アットホームな店。ほづみは乗り気だったじゃん」

「乗り気に見えました?!」

 みおりはほづみの片手を握っていた手をほどいて、そのウエストを引き寄せた。そして耳許にふっと息を吹きかけた。

「……ぁっ」

 小さな肩が、ぴくんと顫えた。

「何するんですか!」

「冬って萎える」

「どうしてですか?はぅっ……」

 みおりはほづみの胸に片手を伸ばして、ラメワッフルのコートの上から、力任せに膨らみを探る。

「ぁん、やめて下さい……ここ、……」

 ほづみの法外に美しいかんばせが、ありえないほどエロティックになる。ぱっちりした目許が苦しげに細くなって、ルージュで濡れた唇から、甘い甘い吐息がこぼれる。

 帰宅ラッシュ時の駅のホームは、どこもかしこも人でいっぱいだ。

 みおりはほづみをエスカレーターの陰に連れ込んで、人目を忍んで、その身体をコートの上から物色していた。
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