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加虐の皇子と愛玩ドール
第12章 錯綜同衾


『あっ…………あああっ、あん……』

「っ…………」

『やぁぁんっ、はんん……ゃ、ぁぁ…………濡れてきちゃいました……んん、も…………はん!……ダメです…………あん、……みおりさん…………あああっ…………許して下さい……私のいやらしい、ヴァギっ、ナの穴にぃぃ…………指挿れっ──』


 一昨日、手洗い場の個室にこもってみおりと電話をしていた時のものだ。


「やめてぇっっ」

 ほづみはスピーカーに飛びついた。

 萌達の他に客はいない。代わりに、昨夜に比べて従業員の動作がなだらかだ。無理もない。ほづみであれば、就業中、こんな音声が流れたならば耳をそばだてる。


 指先は、ケーブルを引き抜くのはおろか、掠りもしなかった。たえが再生モードに設定したまま、テーブルの下に引き下げたからだ。


「スカートをめくれば、止めてあげる」

「ふふ、それとも、もう少し聞いていたい?」

「電話の相手はあの人でしょ?時々ほづみちゃんを迎えに来る…………」

「──……」

『イイっ…………クリちゃ、も……いじめてます……あっあああんっ、とろとろのお肉がひくひくしてますぅぅぅ…………』

「はぁ、はぁっ、……」


 ほづみはスカートを抱えるようにしてまくり上げた。


 鏡越しに覗かれていたかも知れない橙色の下半身──…今、学友三人と従業員達の目に、触れている。


「わぁ」

「すごい……」

「パイパンじゃない!初めて見た!」

「いやらしー……」

「ね、脚、開いてみて」

「──……」

「待て、ストップ」

 ほづみが片足を浮かせたところで、りんこが手のひらを向けてきた。

「従う前に、かしこまりました…………でしょ」

「…………」

 くすくす、と、萌とたえが目配せした。

 サドの才能あるんじゃない、と、りんこに笑った。


「かしこまりました。…………」


 ほづみは脚を肩幅に開いた。



 萌達は心ゆくまでほづみの性器を観察し、いじり、好き好きに感想を述べ合った。


 夕飯時にも関わらず、他の宿泊客が訪わない。そして、みおりとみほこの到着が遅い。


 ほづみがそうした状況に気付き、不審を覚えたのは、それからもう少しあとのことだ。
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