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加虐の皇子と愛玩ドール
第1章 公開遊戯
少女は、年のほどは二十を過ぎたくらいか。小さな顔に、薄紅色のチークやシャドウがよく映える。掴んだ肩は得も言われぬ質感があって、目許もその唇も、どこもかしこもふんわりした見目をしている。どこか崇高な芯のようなものを感じさせられるのは、その眼差しが、彼女の思慮深さを物語っているからか。
「違うんです……違……」
「何が違うの?」
みおりは少女の華奢な両腕を開く。
形の良い二つの乳房を飾った蕾が、扇情的に膨張していた。
みおりは、少女の両方の手首を掴み上げて、それらを片手で一つに束ねる。
柔らかな股を開いてやると、思った通り、見目だけは乙女趣味がこれでもかと言わんばかりに押し出してあった白いテディは、少女の股間を全く覆っていなかった。
「服、あすこにあるので……」
「「おねえちゃん」って、誰?」
「宍倉雅音。この店の店長です。私、妹です。悪戯されて、こんなつもりじゃ……」
綺麗な声が、頼りなく消え入っていく。
そういうことか。
昼間の急な呼び出しと、拷問場もどきに改装されたフロアの一角、謎の美少女──。
みおりは、それらの不可解な要素を繰り出してきた、かの友人の意図が見えた。
面白いことをしてくれるではないか。
「名前は?」
「宍倉ほづみです」
「分かった」
ほづみがほっと力を抜いた。
「私は、塙岸みおりっていうんだ。よろしく」
「よろしくお願いします!」
「お洋服、どこにあるの?」
つぶらな瞳に、救いの光がちらついた。
「カウンターの、レジの下です」
ほづみが前方を指差した。
みおりは、彼女の示した方向へ急いでいった。