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加虐の皇子と愛玩ドール
第2章 暴虐願望

「ほづみ、濡れすぎ。くだらない」

「すみ、ません……」

「玩具でこんなになるなんて。私の指、必要ないじゃん」

「やぁっ……」

 みおりがほづみの蜜壺から指先を離すと、大きな瞳がじわりと揺れた。

 みおりは、ほづみの匂いをまとった粘液を、その瞳に見せつけながら舌で拭う。それからロープの結び目をといて、ほづみの腕を自由にした。

 赤い線のほんのり残った両腕が、やんわり絡みついてきた。

「ほづみは、一人でも私をおかずにすることあるの?」

「ごめん、なさい……先週、から……あの夜が忘れられなくて……」

「今からやれ」

「えっ?」

 みおりはほづみの腕を掴んで、その上体を起こさせた。

「携帯、貸して?ほづみが一人でイクとこ、動画に撮るから」

「っ……、そんな……」

「ほづみは自分のあんあん言ってる姿で発情している方が、似合ってる。明日から、君はそれで自分をいじれ」

「ぅっ……みおりさんの、ご命令でしたら……」

 ほづみがバッグの置いてある場所まで歩いていって、携帯電話を引き抜いた。

 みおりの手に、愛らしいウサギのストラップの揺れる携帯電話が手渡されてきた。

「ん、スタート。私は一切、手を貸さない。私をほづみの一人エッチでどきどきさせたら、夜明けまでほづみを犯してあげる」

「みおりさん……っ、…──頑張ります」

「脚はこっちに向けて開いて、ちゃんと見えるようにしろよ」

「はい……あの、ほづみのいやらしいとこ、見ていて下さい……みおりさん……」

 こんなものをモチーフに選ぶ芸術家なんてまずかろうに、絵になるほど美しい。

 みおりは、ほづみがおずおず脚を広げる動作から、目が離せなくなっていた。

 愛だの恋だの、そんなものに執着したことはなかった。それは、きっとこれからも変わらない。

 夜は長い。

 それなのに、ほづみが側にいる夜は短く感じる。

 みおりは、この悩ましげな美少女にまだ触れたくならないように、携帯電話の撮影画面に淫らな被写体を捕らえて、両手にぎゅっと力を込めた。







2章 暴虐願望─完─
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