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加虐の皇子と愛玩ドール
第3章 人形実験
* * * * * * *
みおりははづると話した翌週、少女を一人、通い馴染みの職場に招いた。
少女は、名前を宍倉ほづみ(ししくらほづみ)という。みおりが友人のつてで知り合った大学生だ。
ほづみは、きりっとしたつぶらな双眸に透けるような陶磁肌、華やかなロリィタ服のしっくり馴染む、さしずめ姫君の腕に抱かれるドールだ。今日も、華奢な肩からAラインのコートが外れると、その扇情的なラインの肢体に、淡いピンク色のブラウスとアンティーク調の花柄のジャンパースカートがとり合わせてあった。
みおりはほづみをビルのロビーで出迎えて、彼女を連れて、地下二階へ降りていった。
二人、無機質な同じ扉の並んだ廊下を歩いていく。
「ここが、みおりさんの勤務されてる会社なんですね。思ってたより普通かな」
「どんな感じを想像していた?」
「もう少し、エロティックな要素があると思っていました。あの、みおりさん?」
「ん?」
「質問良いですか?さっきから、モップを持った清掃員さんをたくさん見かけます。私が今日招待してもらったのって、お掃除の人手が足りないからですよね?足りているように見えます」
「ほづみにやってもらいたいのは整頓」
「あ、そっか。……って、そんなこと、アルバイトに務まるんですか?」
二人、突き当たりの会議室に到着した。
みおりはほづみを無視して扉を開ける。
会議室は、くすんだ壁に艶出しされた灰色の床、窓はないが小さな扉が二つある。
その空間の六割に、パイプ椅子が並べてあった。召集されていた社員達で満席だ。そして残り四割のがらんとした空間に、寝台が一つ備えてあった。
「塙岸さん」
はづるが前列から立ち上がって、出入り口へ進み寄ってきた。
「お疲れ様です。……まぁ、可愛い人。彼女が?」
「初めまして、宍倉ほづみと申します」
「宍倉さんね。今日は宜しくお願いします。私は三浦はづる、当社商品開発部の部長です。後ろにいるのは、同じく商品開発部のメンバーと、塙岸さんと同じ総務部社員、あとは営業部。男性社員は、塙岸さんに不要という意見をもらって、今回は呼びませんでした」
ほづみがぺこりと頭を下げて、はづるから名刺を受け取った。