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加虐の皇子と愛玩ドール
第4章 懲罰指導

「ん、あっぁ……はぁっ……んん」

 深い深いキスを味わいながら、ジルコニアの光る耳朶を撫でて、官能的な吐息を奏でる喉をなぞって、その鎖骨を撫でさする。

 みおりがそっとキスを離すと、しづかの唾液だらけになった唇が、本来の色を取り戻していた。

「…………」

 みおりは窓辺へ歩いてゆく。
 銀色にも見えるモノトーンの花柄の蔓延るカーテンを開くと、ベランダの向こうに広がる住宅街は、まだ、ちらほら明かりが点いていた。

 しづかが覚束ない足どりで歩いてきた。

 みおりはしづかの肩を抱いて、その身体を窓に向ける。

 しづかの胸と、ガラスとが、すれすれにくっつかない程度の距離になった。

「脱ぎな」

「外から見えない?」

「裸みたく格好をして犯されに来る変態のマゾは、身体を見られてどう感じるの?」

「──……。恥ずかしく、──…ひぃやっ」

 しづかからすっとんきょうな悲鳴が上がった。みおりが、短いスカートを膨らませている臀部の肉をつねったからだ。

 美しいラインを描いたももが、ひくひく、顫えていた。

「五秒以内に上品な化けの皮を矧がなくちゃ、寒空の下で脱いでもらう」

 みおりがしづかの裏ももに指先を滑らせてゆくと、あぁぁ、と、高く細い吐息が上がった。

「ご、ご覧になっていただきたいの……誰でも良い、私の裸……塙岸さんのような方に、虐めていただけることを空想して、薄着で訪ねてきた私は、……目茶苦茶になりたい……」

 しづかがぺらぺらのドレスを豪快に脱いだ。それからその手が、汗ばんだ身体に食い込んだ、透け感のある黒い下着に伸びてゆく。
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