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加虐の皇子と愛玩ドール
第5章 公認遊戯

 みおりはほづみに暗に促されて土間に入る。
 後ろ手に扉を閉めて、ショートブーツのファスナーを下ろす。格子ツイードのコートを脱いで、バッグと一緒に抱えると、框に上がった。

「お持ちします」

「良いよ。見えなくなるから」

「これは……っ、見せたいわけではありませんから」

「嘘ばっかり」

「──……」

 ほづみの片手が、ずり落ちかけていたタオルを引き上げる。谷間の影が消えた代わりに、乳房の膨らみがタオルをいっそう押し上げた。

 みおりはリビングでハンガーを借りて、コートをかけた。それからすかさず、ほぼ全裸のドールが踵を返したところを腕を掴んで引き留めて、身体ごと扉に押しつけた。

「みおりさん?!……ぁっ、ひゃっ!……」

 みおりはタオルの裾をめくって、ほづみの腕から乳房にかけて片手を滑らせていく。そうしながら、露になった太ももの内側より更に奥を探っていった。

 指先は、やはりパンティに触れないで、ぬるぬるした粘膜に行き着いた。

「この変態」

「はぁっん、ダメです……まだ……」

「風呂、入ってないんだろう?見れば分かるよ。それでこんな格好しているなんて、ほら、望み通り見てやるよ」

「っ……」

 バスタオルが落下した。

 みおりの前に、くすんだ桃色の紅挿すミルクプリンの裸体が現れた。

 ほづみの薄い皮膚と肉に覆われた鎖骨が、荒い息に伴って、上下していた。

「ごめ、なさい……みおりさんが、来て下さると思うと……興奮しちゃって……」

「私、一応、用心棒なんだけど。雅音が家(ここ)を留守にする三日間、ほづみを夜の侵入者から守れって頼まれて来たんだけど」

「はっ、ぁ……い、有り難うございます。ぁっ……」

 みおりはほづみの乳首をつねって回しながら、その先端を舌先で撫でる。

 二人、口先と行動とがちぐはぐだ。
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