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加虐の皇子と愛玩ドール
第1章 公開遊戯

 そこには、雅音が明日ここで催す予定のナイトイベントの告知が貼りつけてあった。

「明日のパーティーの参加資格は、二十歳以上のビアンであること。バイもオーケー。ほづみは今年で二十一だし、セーフでしょ。ちょっと大人な内容に出来る。都心の店と差をつけて、こういうところで、集客率を上げるしかないの」

「移転すれば良いじゃない」

「ショーって、そもそもどんな?」

「公開SM」

「「はい?!」」

「明日のパーティーは、ほぼ常連客ばかりのチケット制。チケット高値にしちゃったから、それなりのことをしなくちゃまずいのよ」

「もうお姉ちゃんが裸になれば?」

「みおりはモテないけれど顔だけは良いし、ドSだし、職業柄、半分プロでしょ。ほづみはエロい。気が強いところなんてうちのお客様にウケそうだから、二人にお願いしているの」

「ちょっと、雅音!職業柄って……」

「アダルトグッズの製造販売メーカー勤務、だっけ。ほづみ?そちらの皇子様、なかなか良い女でしょ?」

「だから何」

「お姉ちゃんを助けると思って、余興に協力して頂戴」

「ほづみも私も、断る」

「ほづみ」

 雅音が、携帯電話の画面を突きつけてきた。

「あっ!」

「そう。さっきの、動画に撮らせてもらった」

「いい加減にしなよ、雅音」
  
「みおり」

 みおりは、雅音の燃えるような双眸に、無言の圧力をかけられる。

「貴女、私の大事な妹に、さっき何してたっけ」

「大事な?」

「答えたくないなら別に良いのよ。この携帯電話は私のものだし、友人に見せて相談するも私の自由、店に動画を流すも私の自由──」

「お姉ちゃん!」

「ただし」

 みおりの手に、雅音のそれが重なってきた。

「ほづみが大学を出るまで、彼女の保護者は、今居候させている私なの。みおりがこの話を断るなら、もう、会わせることはないでしょう」

「…──っ」

「よぉく、考えることね」
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