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加虐の皇子と愛玩ドール
第5章 公認遊戯
みおりは近くの公園で花叶の話を一頻り聞いてやった後、宍倉姉妹の居を構えるマンションの部屋に戻っていった。
花叶が涙した問題は、そこそこシビアなものだった。否、花叶らしいといったところか。
みおりは一言で解決してやりたかったが、いかんせん、あの感じやすい思春期よろしく単純で複雑な心の持ち主を持ち直させるのは、至難の業だ。みおりは忍耐強く話を聞いて、花叶がまた泣き出したのを抱き締めて、今夜は自宅へ一人で帰るよう念を押した。
公園と隣接したマンション一階、奥から三番目の部屋のチャイムを鳴らすと、昨夜と同じ応答がインターホンから聞こえてきた。
「ただいま」
『はーいっ』
みおりがほづみの舞い上がった声音を聞いてまもなく、目前の扉が開いた。
「お帰りなさい、みおりさん。ご飯にしますかお風呂にしますか?それとも──」
「ほづみって言ったら、ご飯、冷めない?」
「うーん……温めれば良いところですが、出来たてほやほやを召し上がっていただきたいですし……」
みおりの鎖骨にほづみの片手が伸びてきた。柔らかな腕の重みが、ぴとっと上体にくっついてくる。
「…………」
みおりは部屋の敷居を跨いで扉を閉める。それからほづみの片手をとって、その頭の天辺からつま先まで、昨夜にも増して舐め回さんばかりに眺める。
細い首筋にすべすべの肩、ぷっくりとした乳房ははち切れんばかりに豊満なのに、アンダーバストからウエストにかけては折れそうに細く、さりとて健康的な厚みがある。すらりと伸びた太ももが、締まった臀部をきゅっと支え上げている。さらさらの髪が白い素肌でたゆたう度、双方のきめこまやかさが際立つ。
ほづみはそんな誘惑的な肉体に、フリルのエプロンをつけていた。
うっすらと青みがかったそれは、バックスタイルに大きなサテンのリボンが結んであって、当然、夕方まで身につけていたパステルピンクの十段フリルのハイウエストワンピースとは別物だ。
「タオルの次は、エプロンか。裸エプロンなんてコメディだと思っていたけど、ほづみだとエロいな」
「……みおりさんに、お夕飯作ってると思うと、嬉しくて……」
「ほづみって、嬉しいと脱ぐの?」
「──……」
暫しの沈黙の後、ほづみの顎がこくんと動いた。